グローバル・マクロ・ウォッチ:新興国通貨の反発は期待できるか | ピクテ投信投資顧問株式会社

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2019/02/26新興国

ポイント

ピクテの景気先行指数は、新興国の景気減速が先進国の景気減速ほど深刻なものにならずに済む可能性があることを示唆しています。新興国の成長率が先進国の成長率を上回り、両者の成長率の差が拡大する状況は、新興国通貨の反発要因になると考えます。

景気減速を実感

先進国のGDP(国内総生産)成長率は+2.1%とプラス圏には留まるものの、減速基調を辿っています(図表1Aをご参照下さい)。ピクテの景気先行指数は、今後数ヵ月のうちにもう一段の低下の可能性があることを示唆しています。

図表1A:先進国の景気先行指数(赤線、前年比、%、右軸)及び実質GDP成長率(緑線、前年比、%、左軸)

 

先進国の実質GDP成長率は1998年1月~2018年8月、先進国の景気先行指数は、1998年1月~2018年12月、先進国の景気先行指数は14カ国の加重平均

出所:ピクテ・グループ

一方、新興国のGDP成長率も同様の趨勢(トレンド)を呈していますが、+4.2%と、減速に転じた水準が先進国の水準を上回っています。(図表1Bをご参照下さい)

図表1B:新興国の景気先行指数(赤線、前年比、%、右軸)及び実質GDP成長率(緑線、前年比、%、左軸)

 

新興国の実質GDP成長率は、1996年1月~2018年8月、新興国の景気先行指数は、1996年1月~2018年12月、新興国の景気先行指数は24カ国の加重平均

出所:ピクテ・グループ

新しい局面への転換か?

以下の図表には、過去の教訓を生かすため、1994年以降、新興国の成長率が先進国の成長率を上回って、成長率の差が拡大した期間を示しています。

図表2:新興国の成長率が先進国の成長率を上回った局面での新興国と先進国間の景気先行指標の伸び率の格差(緑線:景気先行指数の格差(新興国指数-先進国指数)赤色:新興国も先進国も景気後退、青色:新興国は景気拡大、先進国は景気後退、灰色:新興国も先進国も景気拡大、%)

 

赤色:1994年8月から1995年5月、2004年8月~2005年5月、2006年6月~2008年8月、2010年8月~2011年6月、20118年1月~現在

青色:2012年6月~2013年2月、2015年10月~2016年10月

灰色:1998年9月~2000年3月、2001年3月~2002年5月、2008年9月~2009年12月

出所:ピクテ・グループ

新興国のGDP成長率が先進国のGDP成長率を上回る場合には、

1) 新興国、先進国ともに成長率が低下傾向(右肩下がり)で新興国の低下幅が小さかった場合(赤色の期間)

2) 新興国の成長率が上昇傾向(右肩上がり)で、先進国は低下傾向(右肩下がり)の場合(灰色の期間)

3) 新興国、先進国ともに成長率が上昇傾向(右肩上がり)で、新興国が先進国を上回る場合(青色の期間)

以上の3通りあり、足元の局面は赤色の期間に含まれます。

上記の状況は新興国資産にとってどのような意味を持つか?

ピクテの分析が示しているのは、1)から3)の全ての局面において、新興国株式のパフォーマンスが先進国のパフォーマンスを上回ったこと、また、ドル建て新興国国債の利回りスプレッド(米国国債に対する上乗せ利回り)が縮小したことです。

新興国株式、新興国債券ともに、最も高い相対パフォーマンスを実現したのは、当然のことながら、世界が同時好況となった3)の局面ですが、一方、新興国通貨にとって最も好ましい環境だったのは、足元の局面と同じの1)の局面だったのです。

図表3:新興国の成長率が先進国の成長率を上回った局面での新興国市場と先進国市場のパフォーマンス比較(青の網掛け部分:

 

時点:2019年2月、※新興国31通貨の平均、※※2018年1月~現在を省く、市場のパフォーマンスは年率化、異なる期間を平均化、四捨五入による誤差あり

出所:ピクテ・グループ

新興国通貨の上昇は期待できるか?

過去20年の1)の局面では、直近の局面を除いた全ての局面で、新興国通貨がドルに対して上昇しています。新興国通貨は、ここ数ヵ月、小幅ながら回復してトレンドに回帰し始めており、今後も上昇トレンドの継続が見込まれます。

図表4:新興国の成長率が先進国の成長率を上回った局面での主要新興国通貨の推移(青線:新興国通貨の対米ドルレート、指数化、赤色:成長率の方向性が低下傾向(右肩下がり)で、新興国の成長率が先進国を上回る期間)

 

時点:2019年1月、新興国23通貨の非加重平均

出所:ピクテ・グループ

7年に及んだ新興国通貨の弱気相場の終わりは期待できるか?

新興国通貨の過去の回復局面に共通して見られたマクロ経済要因を見ることで、更に手掛かりが得られると考えます。

国際商品市況に注目

新興国通貨が反発した全ての局面に共通して見られたのは、米国経済の減速、米国10年国債利回りの低下ならびに新興国輸出の相応の伸びであり、足元の局面でも確認されます。

一方、唯一異なるのは、過去の局面では堅調だった資源価格が低迷してきたことです。もっとも、 GSCI商品指数の年初来の騰落率は前年同期比+11%と、先行きを期待させるものとなっており、このことが、新興国通貨は、漸く、回復基調に転じたとの見方を裏付けると考えます1

 

図表5:新興国の成長率が先進国の成長率を上回った局面での商品価格の推移:資源価格は反発するか?(青線:商品価格、赤色:成長率の方向性が低下傾向(右肩下がり)で、新興国の成長率が先進国を上回る期間)

 

商品価格は2019年1月まで

出所:ピクテ・グループ

  1. 出所:データストリーム、2018年12月31日~2019年2月15日のパフォーマンス

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