新興国ソブリン債券市場(15年4月号) | ピクテ投信投資顧問株式会社

新興国ソブリン債券市場(15年4月号) 新興国債券 グローバル

2015/04/09新興国債券

3月の市場概観

3月の新興国ソブリン債券相場(JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド指数)は、ドルベースで前月末比上昇しました。(PDF図1参照)

ドル建て新興国債券市場のベースとなる米国国債は、 2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回る改善を示したことなどを背景に下落(利回りは上昇)する局面もありましたが、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFOMC参加者の政策金利見通しが引き下げられ、利上げ開始時期を巡る市場の想定が後ずれしたことや、米国の住宅着工指数、小売売上高など一部の経済指標が低調だったことから上昇(利回りは低下)し、月間では上昇(利回りは低下)しました。

一方、ドル建て新興国債券と米国国債とのスプレッド(利回り格差)は、グローバルな景気回復期待の後退や、ギリシャ債務問題への懸念の高まりなどを背景に拡大しました。

JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド指数における新興国ソブリン債券の利回りは前月末比0.04%上昇して5.57%となりました。 JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド指数ソブリン・スプレッドでみた米国国債との利回り格差は0.11%拡大し、3.69%となりました。(PDF図2、3参照)

地域・国別動向

地域別では、欧州やアジア、中近東が市場平均よりも高い騰落率となった一方、アフリカと中南米が下落しました。(PDF図4参照)

国別では、30ヵ国が上昇し、32ヵ国が下落しました。(PDF図5参照)

ロシアがウクライナ問題に対する懸念の後退や外貨準備高が増加に転じたことなどを背景に上昇しました。一方、ウクライナは経済状況の悪化などを背景に格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが同国の外貨建て長期債務格付けを引き下げたことなどが影響し、下落しました。またガーナも格下げなどが影響し、下落しました。

主な格付けの変更

主な格付けの変更については、格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスがパラグアイをBa2からBa1に格上げした一方、ウクライナをCaa3からCaに、ガーナをB2からB3に格下げしました。スタンダード&プアーズは、ハンガリーをBBからBB+に格上げした一方、ナイジェリアをBB-からB+へ格下げしました。

為替

ドル・円為替市場は、前月末比90銭円安・ドル高の120円17銭となりました。月初、日本の年金資金のドル買い需要や2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回る改善を示したことなどを受け円安・ドル高が進行しました。しかし、月後半、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFOMC参加者の政策金利見通しが引き下げられたこと、米国の住宅着工指数や小売売上高など一部の経済指標が軟化したことなどから円高・ドル安となる局面もありましたが、月を通せば円安・ドル高となりました。

今後の新興国ソブリン債券市場見通し

中長期的には、新興国ソブリン債券市場は先進国市場に比べて、借金残高が少ないこと、新興国の潜在的な成長力の高さから機関投資家の投資拡大が見込まれること、通貨が下落したことにより輸出競争力の回復が期待できることなどを背景に、投資先として魅力が高いと見ています。

短期的にも、米国金利が安定的、もしくは緩やかに上昇する環境では、他の高格付けスプレッド資産に比べてスプレッドの縮小余地があることは市場の好材料となる可能性があります。一方、米国金利が急上昇すれば、新興国ソブリン債券市場全体の上値が一時的に抑えられる可能性には注意が必要と考えています。また借入コストの増大や資源価格の下落についても一部の国にとっては懸念材料となる可能性があります。しかし、そのような場合であっても、新興国の堅実な財政・経済運営が次第に評価され影響は緩和されていくと思われます。ただし、すでに市場で見られるように、今後は新興国の中でも、国によってリターン格差が生じてくる展開が続くものと想定しています。

(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。)

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