2015年12月の新興国ソブリン債券市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2015年12月の新興国ソブリン債券市場 新興国債券 グローバル

2016/01/19新興国債券

12月の市場概観

12月の新興国ソブリン債券相場(JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド指数)は、ドルベースで下落しました。(図1参照)

ドル建て新興国債券市場のベースとなる米国国債は、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを決定したことや、11月の米住宅着工件数が市場予想を上回るなど米国の住宅市場データが回復傾向を示唆したことなどを受け下落(利回りは上昇)しました。また、米国国債と新興国債券の利回り格差(スプレッド)は、原油価格など商品市況の低迷、地政学リスクの高まりなどを背景に拡大しました。そのため、ドル建て新興国債券市場は下落(利回りは上昇)しました。

JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド指数における新興国ソブリン債券の利回りは前月末比0.31%上昇し6.39%となりました。JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド指数ソブリン・スプレッドでみた米国国債との利回り格差は0.25%拡大し4.15%となりました。(図2、3参照)

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

地域・国別動向

地域別では、中近東が上昇、アジア、欧州は下落しましたが、市場平均を上回りました。一方、アフリカ、中南米は市場平均以上の下落となりました。(図4参照)

国別では、10ヵ国が上昇し、54ヵ国が下落しました。(図5参照)

ブラジルはマクロ経済指標が悪化し、財政状況の改善が遅れるとの見方を背景に格付け会社フィッチ・レーティングスが投資不適格級に引き下げたことに加え、ムーディーズ・インベスターズ・サービスも見通しをネガティブ・ウォッチとしたことなどが影響し下落しました。ベネズエラは12月6日に実施された国会議員選挙で野党連合が勝利したことが好感され上昇する場面もありましたが、原油価格の下落などが影響し、月間では大きく下落しました。一方、アルゼンチンは2015年11月に就任したマクリ大統領による改革への期待などを背景に上昇しました。

主な格付けの変更

主な格付け(外貨建て長期債または発行体格付け)の変更については、格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスがモザンビークおよびブラジルにネガティブ(格下げ方向で検討)を付与しました。フィッチはブラジルをBBB-からBB+に、南アフリカをBBBからBBB-に格下げした一方、コートジボワールをBからB+ に格上げしました。

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

為替

ドル・円為替市場は、前月末比2円21銭円高・ドル安の120円61銭となりました。原油価格が大幅下落となったことを受けリスク回避姿勢が強まったこと、日銀の追加金融緩和の内容が失望的であったことなどを背景に円高・ドル安が進行しました。中旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決定されたことで円安・ドル高となる局面も見られましたが、ドルの回復は鈍く、円高・ドル安に転じました。結局、月を通してみると円高・ドル安となりました。

今後の新興国ソブリン債券市場見通し

中長期的には、新興国ソブリン債券市場は政府債務残高(対GDP比)の水準が先進諸国に比べ低く、相対的に健全な国が多いことや、新興国の潜在的な成長力の高さから機関投資家の投資拡大が見込まれること、通貨が下落したことにより輸出競争力の回復が期待できることなどを背景に、投資先として魅力が高いと見ています。

短期的にも、米国金利が安定的、もしくは緩やかに上昇する環境では、他の高格付けスプレッド資産に比べてスプレッドの縮小余地があることは市場の好材料となる可能性があります。一方、米国金利が急上昇すれば、新興国ソブリン債券市場全体の上値が一時的に抑えられる可能性があります。また中国経済の減速や資源価格の低迷なども大きな懸念材料となる可能性があり注意が必要です。しかし、そのような場合であっても、新興国の堅実な財政・経済運営が次第に評価され影響は緩和されていくと思われます。ただし、すでに市場で見られるように、今後は新興国の中でも、国によってリターン格差が生じてくる展開が続くものと想定しています。

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

ページの先頭へ戻る