2016年1月の新興国ソブリン債券市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2016年1月の新興国ソブリン債券市場 新興国債券 グローバル

2016/02/12新興国債券

1月の市場概観

1月の新興国ソブリン債券相場(JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド指数)は、ドルベースで小幅な下落となりました。(図1参照)

ドル建て新興国債券市場のベースとなる米国国債は、中国など株式市場の下落、中東情勢の悪化、原油価格の下落等によるリスクの高まりなどを背景にリスク回避姿勢が強まったことや、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースは緩やかとの観測が台頭したことで上昇(利回りは低下)しました。一方、米国国債と新興国債券の利回り格差(スプレッド)は、原油価格の下落傾向や、地政学リスクの高まりなどを背景に拡大しました。そのため、ドル建て新興国債券市場はわずかながら下落(利回りは上昇)しました。

JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド指数における新興国ソブリン債券の利回りは前月末比0.11%上昇し6.50%となりました。JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド指数ソブリン・スプレッドでみた米国国債との利回り格差は0.48%拡大し4.63%となりました。(図2、3参照)

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

地域・国別動向

地域別では、アジア、欧州が上昇した一方、中南米、アフリカ、中近東は下落しました。(図4参照

) 国別では、34ヵ国が上昇し、30ヵ国が下落しました。(図5参照)

ブラジルは同国の中央銀行が景気に配慮し市場予想に反して政策金利を据え置いたことや対外収支の改善、海外直接投資の伸びなどを背景に上昇しました。フィリピンは実質GDP(国内総生産)の伸びが市場予想を上回るなど経済の堅調さが好感され上昇しました。一方、ベネズエラは原油価格の急落が懸念材料となり、大きく下落しました。その他、アゼルバイジャンやガボンは格付け会社による格下げが影響し下落しました。

主な格付けの変更

主な格付け(外貨建て長期債または発行体格付け)の変更については、格付け会社のスタンダード&プアーズがアゼルバイジャンをBBB-からBB+に、ガボンをB+からBに、ポーランドをAからBBB+にそれぞれ格下げしました。

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為替

ドル・円為替市場は、前月末比26銭円安・ドル高の120円87銭となりました。ドル・円為替市場は月初、中国など株式市場の下落、中東情勢の悪化、原油価格の下落等によるリスクの高まりなどを背景にリスク回避姿勢が強まったこと、米国の住宅着工など一部の指標が市場予想を下回ったことで利上げペースは緩やかとの観測が台頭したため円高・ドル安が進行しました。しかし、月末に日銀が市場予想に反してマイナス金利を柱とするマイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入を公表したため急激に円安・ドル高に転じました。結局、月を通してみると円安・ドル高となりました。

今後の新興国ソブリン債券市場見通し

中長期的には、新興国ソブリン債券市場は政府債務残高(対GDP比)の水準が先進諸国に比べ低く、相対的に健全な国が多いことや、新興国の潜在的な成長力の高さから機関投資家の投資拡大が見込まれること、通貨が下落したことにより輸出競争力の回復が期待できることなどを背景に、投資先として魅力が高いと見ています。

短期的にも、米国金利が安定的、もしくは緩やかに上昇する環境では、他の高格付けスプレッド資産に比べてスプレッドの縮小余地があることは市場の好材料となる可能性があります。一方、米国金利が急上昇すれば、新興国ソブリン債券市場全体の上値が一時的に抑えられる可能性があります。また中国経済の減速や資源価格の低迷なども大きな懸念材料となる可能性があり注意が必要です。しかし、そのような場合であっても、新興国の堅実な財政・経済運営が次第に評価され影響は緩和されていくと思われます。ただし、すでに市場で見られるように、今後は新興国の中でも、国によってリターン格差が生じてくる展開が続くものと想定しています。

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