2015年11月の新興国株式市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2015年11月の新興国株式市場 グローバル 新興国株式

2015/12/07新興国株式

ポイント

11月の新興国株式市場は、商品市況の下落やトルコによるロシアの戦闘機撃墜でリスク回避の動きが高まったことなどから、下落しました。

11月の新興国株式市場

11月の新興国株式市場は月間で下落しました。中旬にかけては、2015年中にも米国で利上げが行われるとの観測や商品市況の下落などを背景に、月半ばにかけて下落基調となりました。その後は、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で米国の利上げのペースが緩やかなものになるとの見解が示され米国経済の先行きに安心感が広がったことや、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が追加緩和策を示唆したことなどを背景に、株式市場は反発したもののトルコによるロシアの戦闘機撃墜でリスク回避の動きが高まったことなどから月末にかけて再び下落し、月間で下落となりました。

今後の見通し

長期的には、新興国経済は、若い労働人口が豊富であることなどを背景に、中間所得層の持続的な拡大や構造変化に後押しされ、先進国を凌ぐ成長力を有しているとの見方には変更ありません。しかし、当面は米国の金融政策や中国の経済・政策動向には市場の注目が集まることが予想されます。米国の利上げ時期を巡る不透明感はリスク回避の姿勢を強め、新興国株式市場にマイナスの影響を及ぼしてきましたが、これ以上マイナスの影響を及ぼすとは見ていません。今後、足元の経済環境を勘案すると米国の利上げのペースは穏やかになると見られるうえ、日本、ユーロ圏、中国は金融緩和を継続しています。

株式の様々なバリュエーション(投資価値評価)は過去平均や先進国よりも割安な水準となっていますが、新興国株式からは資金が流出しています。中国や韓国、台湾、インドなど主要新興国では依然利下げ余地がありこうした政策は景気や株価を下支えするものと期待されます。また、中国では政策効果によりインフラ投資などに回復の兆しも見られます。世界景気の回復により需要が回復した場合には、新興国株式は大きく株価が反発する可能性があるとみており、株価の下落は長期的な投資機会を提供するものと考えます。また、新興国への資金流入により、新興国通貨高・ドル安への転換を後押しすれば、資金調達コスト負担の低下や資源高を通じて新興国経済に更にプラスとなるものと期待されます。

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

月間の国別市場

中国は当局が経済成長を軌道に乗せるため、利下げをはじめ追加措置を講じるとの観測や小売売上高の伸びの加速、当局の株式市場への介入などがプラスとなったものの、当局が株式信用買いの抑制に動いたこと、新規株式公開(IPO)再開で株式の需給悪化懸念などが重石となり下落しました。

インドはモディ首相率いるインド人民党(BJP)が同国で3番目に人口の多いビハール州で行われた選挙で敗北したことを受け、同首相の進める景気刺激策の妨げになるとの懸念が広がったことなどから市場平均以上に下落しました。

トルコは月初、総選挙での与党の過半数奪還で政治的な膠着状態が打開されるとの期待から上昇しましたがその後、ロシアの戦闘機撃墜で政治的緊張が高まったことから下落し、市場平均以上の下落となりました。

一方、ロシアは商品市況の低迷やトルコによるロシアの戦闘機撃墜で政治的緊張が高まったにも関わらず上昇しました。パリのテロ後のロシアによるイスラム国拠点に対する空爆が欧州各国政府に好感を与え制裁が軽減されるとの期待が高まったことなどがプラスとなりました。

ブラジルは中国の景気減速の兆候を背景とした資源輸出企業の業績見通しの悪化懸念などがマイナスとなったものの、ルセフ大統領がレビ財務相は現職にとどまると表明し、議会がルセフ大統領の歳出抑制方針を支持したことで、今後の財政再建に楽観的な見方が広がり市場平均を上回りました。(図表4・5参照)

月間の業種別市場

情報技術(IT)、一般消費財サービスなどは市場平均を上回りました。一方、素材、通信、公益などは市場平均以上に下落しました。(図表6参照)

バリュエーション水準

新興国株式のバリュエーション(投資価値評価)は、株価収益率(PER)では、依然として先進国を下回る水準にあります(図①参照)。また、株価純資産倍率(PBR)でも、先進国を下回る水準にあります(図②参照)。今後の株価動向には注意が必要と考えますが、株価の調整は、長期的な投資機会を提供するものと考えます。

新興国各国の経済状況

リーマン・ショック後の世界的な景気後退を経て、2009年半ば以降は内需関連の成長が寄与し、高い成長率で回復しました(図④参照)。景況感については、中国は景況感の分かれ目である50近辺を推移しています(図⑤参照)。

新興国の経済成長

先進国各国の経済成長見通しは低成長が予想されるものの、新興国平均では2015年に+4.0%の成長が見込まれています。中でも、中国とインドは内需拡大などが寄与し6~7%台の高成長となる見通しです(図⑥参照) 。

インフレと政策金利

新興国の物価動向は政策金利の動向を見る上で重要な指標です。アジアの主要国を中心に金融緩和傾向となっています。(図⑦~⑫参照)

原油、商品市況

商品市況は、世界景気の不透明感や需給見通しの悪化などを背景に低調に推移しています(図⑬、図⑮、図⑯参照)。

金については新興国における実需に加え、安全資産としての需要もあります(図⑭参照)。原油や商品価格の下落はブラジルや南アフリカなどの資源を輸出する資源国の経済にとってマイナス要因となる一方、その下落が消費を中心にプラス要因となる国もあり、注目の指標のうちの一つです。

リスク

新興国経済のリスクの高さを示す指標のひとつであるドル建て新興国債券と米国債との利回り格差は、世界的な信用不安が高まった2008年に急拡大しましたが、その後、世界経済の回復期待などを背景にリスク回避の動きが弱まる中で縮小してきました(図⑰参照)。その後、ユーロ圏諸国の債務問題で一時拡大しました。直近では、中国の景気減速懸念などがリスクの拡大要因となっています。

新興国株式投資 ~ 新興国高配当株式に注目

新興国株式投資において特に注目したいのは、配当利回りの高い銘柄(新興国高配当株式)です(図⑱参照)。

かつて新興国であった日本では、1970年から1980年にかけて大卒初任給は約2.9倍に、1人あたりGDP(国内総生産)は約2.9倍、消費者物価指数は約2.3倍に拡大しました(図⑳参照) 。

この間、日本株式市場では経済成長を反映し、株価は日本株式平均で3.2倍に上昇、なかでも高配当の日本株式は6.5倍に上昇し、配当利回りの高い銘柄がより高い収益を得ることができました(図⑲参照)。

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