2018年3月の水関連株式市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2018年3月の水関連株式市場 グローバル 環境関連

2018/04/24環境関連

3月の投資環境

3月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で下落しました。

世界の株式市場は、月初、米トランプ大統領が鉄鋼・アルミの輸入に高率の関税を課すことを表明し、貿易戦争懸念が高まったことなどから下落しました。その後、鉄鋼・アルミの関税からメキシコとカナダが除外されたことなどから貿易戦争に対する過度な懸念が後退したことや、米雇用統計を受けて米国のインフレ懸念が和らいだことなどを受けて反発しました。しかし中旬以降は、米トランプ大統領による国務長官の解任や、インターネットメディア会社の個人情報漏えい、米国による中国への関税措置の決定などの悪材料を受けリスク回避の動きが広がる中、大きく下落し、月間でも下落となりました。

業種別では、公益とエネルギーは上昇、生活必需品や電気通信サービスなどは市場平均よりも小幅な下落となりました。一方、素材や金融、情報技術などは下落率が大きくなりました。

こうした中、水関連企業の株価(現地通貨ベース)は上昇しました。セクター別では、環境マネジメント・サービスセクターが最も大きく下落しました。上下水道ビジネスセクターでは、先進国の銘柄が好調でした。

英国では、決算発表で収益の改善が確認されたことに加え、再国有化の懸念が沈静化し、バリュエーション(投資価値評価)もかなり低位で推移していることなどから、セバーン・トレント、ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループ、ペノン・グループなどが上昇しました。また、株式市場の調整を受け、比較的ディフェンシブ性(景気の変動に左右されにくい特性)のある米国のアメリカン・ウォーター・ワークスや、ユーロ圏のエラ、スエズなどが上昇しました。

一方、中国では官民パートナーシップ(PPP)プロジェクトの管理厳格化や入札の減少などを受け、業界動向が大きく変化する可能性があり、これを背景に収益期待が低下した北京エンタープライゼス・ウォーター・グループやチャイナ・エバーブライト・インターナショナルなどが下落しました。ブラジルでは、水道料金が予想を下回って決定されたことを受けサンパウロ州基礎衛生公社が下落しました。ユーロ圏のヴェオリア・エンバイロンメントは利益確定売りで下落しました。装置製造エンジニアリング・セクターでは、クオリティが高いザイレムやファーガソン、企業の買収が完了したサイトワン・ランドスケープ・サプライが上昇しました。対してドイツのGEAグループや、弱い収益見通しを発表した日本のLIXILグループやスウェーデンのハスクバーナは下落しました。

図1:水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2008年3月末~2018年3月末、図2:水関連企業の株価収益率(PER)の推移 月次、期間:2008年3月末~2018年3月末

 

今後の見通し

前月に引続き、米国では堅調な業績動向が継続していますが、株価が上がりすぎているセクターについては注意が必要と考えます。また、世界的に景気先行指数が緩やかに低下していますが、鉱工業生産や建設市場は好調であり、装置製造エンジニアリング・セクターに恩恵をもたらすと考えます。足元の株式市場の調整により、上下水道ビジネスセクターは年初来で軟調に推移していますが、これは絶好の投資機会になると考えます。特に英国と米国の規制下の水道公益事業銘柄に注目しています。バリュエーションの観点から、装置製造エンジニアリング・セクターには個別に割高となった銘柄もありますが、引き続き当セクターについては強気で見ています。

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズ(基礎的条件)は堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

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