2018年5月の水関連株式市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2018年5月の水関連株式市場 グローバル 環境関連

2018/06/25環境関連

5月の投資環境

5月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で上昇しました。

世界の株式市場は、月半ばにかけて、北朝鮮の非核化が大きく前進し地政学上のリスクが低下するとの期待感や、4月の米小売売上高などが堅調な水準で推移し、今後の経済成長に対する期待が高まったことなどを背景に上昇しました。その後、下旬にかけては、米中の貿易摩擦に対する懸念や米朝首脳会談の中止、欧州ではイタリアやスペインの政治的混乱などを背景に先行き不透明感が高まる状況になり下落基調となりましたが、月間を通じて上昇しました。

業種別では、情報技術が大きく上昇し、エネルギー、素材、資本財・サービスなどが市場平均を上回る上昇となりました。一方、電気通信サービス、金融、公益が下落し、生活必需品やヘルスケアも市場平均を下回りました。

こうした中、水関連企業の株価(現地通貨ベース)は世界株式平均を下回る上昇に留まりました。セクター別では、比較的安定したパフォーマンスで推移した廃棄物処理銘柄に支えられた環境マネジメント・サービスセクターが相対的に堅調に推移した一方、上下水道ビジネスセクターと装置製造エンジニアリグ・セクターが相対的に軟調でした。

個別銘柄では、期待を上回る決算やガイダンスを発表した銘柄が大きく上昇しました。環境マネジメント・サービスセクターでは廃棄物処理銘柄のウエイスト・コネクションズが、処理量の増加や価格上昇、また、古紙価格下落の影響が少なかったことが好感され上昇しました。装置製造エンジニアリング・セクターでは地方自治体のインフラ関連のミューラー・ウォーター・プロダクツ、フォーテラ、アドバンスト・ドレナージ・システムが受注増やコスト上昇圧力が収まったことが評価され上昇しました。同様に、消費関連銘柄のサイトワン・ランドスケープ・サプライは、前月は米国の寒波の影響で軟調に推移していましたが、寒波がおさまり業績見通しが改善し株価が上昇しました。これまで株価が上昇してきたダナハーやザイレムなどは利益確定の動きから下落し、フローサーブやザイレムなど事業再生が遅れている銘柄などは軟調な動きとなりました。上下水道ビジネスセクターでは中国政府の環境改善へのコミットメント強化の恩恵を受ける水道公益事業のカントン・インベストメントやチャイナ・エバーブライト・インターナショナルが上昇しました。一方、多くの公益事業銘柄が軟調な展開となりました。エラはイタリアの政治問題、サンパウロ州基礎衛生公社及びミナスジェライス水道会社はブラジルの大統領選挙を巡る懸念や規制問題、アメリカン・ウォーター・ワークスは米国の長期金利上昇などの影響を受けました。

 

 

今後の見通し

世界の地政学リスクが懸念されますが、各地域の経済成長期待や金利動向など総じて安定しています。さらには、投資対象の多くの分野において売上げ成長の余地があり、下半期にむけて水関連企業は営業レバレッジや利益率の拡大が見込まれます。上下水道ビジネスセクターは、債券代替として扱われること、公益企業の再国有化の論争、新興国の政治や規制の不安定さなどを背景に、投資家心理とバリュエーションが抑えられていましたが、もっとも魅力的な投資機会があるとみています。環境マネジメントセクターはややバリュエーションは高いものの上述の通り業績見通しは良好です。低金利や米国の税制改革、そして底堅い世界の景気動向は、装置製造エンジニアリング・セクター銘柄に恩恵をもたらすとみられますが、バリュエーションが高止まりしており、例外的な環境以外では慎重にみる必要があると考えます。

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズ(基礎的条件)は堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

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