バイオ医薬品、新薬の研究開発は引き続き良好 | ピクテ投信投資顧問株式会社

バイオ医薬品、新薬の研究開発は引き続き良好 グローバル バイオ医薬品

2017/02/16グローバル

ポイント

米国における2016年の新薬承認件数は前年よりも減少しましたが、引き続き新薬申請件数は高い水準で推移しており、新薬の研究開発は引き続き良好な状況にあると考えます。今後はトランプ大統領が製薬会社の経営陣との会談の席で確約した新薬の承認プロセスの迅速化の動きなどが、更に新薬開発をサポートすることが期待されます。

新薬の承認や新薬候補の良好な治験結果の発表は株価を押し上げる要因に

バイオ医薬品関連株式の株価に大きな影響を与える要因のひとつに新薬の承認や新薬候補の良好な治験結果の発表があります。

バイオ医薬品関連企業の多くは、現時点では治療薬が存在しない、もしくは治療効果が高くない治療薬しか存在していない、いわゆる医療ニーズが満たされていない病気の治療薬を開発しています。

そのため新薬が承認された場合には、その病気にとって唯一の治療薬または有望な治療薬となる可能性が高くなり、開発したバイオ医薬品企業の業績に大きく貢献することが期待されることから、株価を押し上げる要因となります。また中小型銘柄にとって有力な新薬や治験が進展している新薬候補を持つことは、大手医薬品企業などからのM&A(合併・買収)の対象となる場合があることを意味し、このことも株価を押し上げる要因となります。

図表1はがん治療薬の開発に強みをもつクロビス・オンコロジー(米国)の株価推移を示したものですが、新薬の承認申請や承認などの節目に株価が上昇しています。米食品医薬品局(FDA)に進行卵巣がん治療薬候補Rucaparibを承認申請した2016年8月23日に株価は前日比で+27%、FDAによりRucaparibが承認された翌日の2016年12月21日には株価は前日比+9%、それぞれ上昇しています。また新薬の開発が進んだことで、クロビス・オンコロジーの買収対象としての魅力も高まったことから、株価は2017年2月14日までの半年間で約3.5倍上昇しています。

2016年は新薬承認件数は減少、申請数は高水準で推移

ここ数年高い水準で推移してきた新薬の承認件数ですが、2016年については、承認期間の短期化によりいくつかの新薬が2015年に前倒し承認されたことなども影響し、大幅な減少となりました(図表2参照)。一方で、新薬の承認申請件数については、2016年も引き続き高水準で推移しており、医薬品企業による新薬の研究開発が停滞しているということではありません。現時点でも、中枢神経系やがん、希少病などの様々な領域で多くの新薬候補の研究が進められています(図表3参照)。

※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります

  

米国の新薬開発を促進する制度とトランプ政権の取り組みへの期待

米FDAの制度面の後押しとして、バイオ医薬品の開発促進にとって大きく寄与しているのが、「画期的(ブレークスルー)治療薬制度」と「希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)法」です。

「画期的治療薬制度」は、既存の治療法を上回る効果や重篤な疾患や症状の治療を意図した新薬について承認のプロセスを圧縮し、開発を促進することを目的としています。「希少疾病用医薬品法」は、患者数が20万人以下の希少疾病の新薬開発促進を目的とし、7年間のデータ保護(先発権)(通常は5年間)のほか、米国政府からの補助金の獲得、FDAに申請する際の医薬品審査手数料の免責、治験実施計画書の審査支援などを受けることができるなどのメリットがあります。また「画期的治療薬制度」や「希少疾病用治療薬法」以外にも、「優先承認審査制度」や「迅速承認制度」、「医薬品優先審査方針」など治療薬の承認を優先して行う制度があり、これらの制度も医薬品の承認件数の伸びを下支えしていると考えられます。

さらに今年誕生したトランプ政権のこの分野での取り組みにも注目が集まっています。2017年1月31日、トランプ大統領はセルジーンやアムジェンなどのバイオ医薬品企業を含む大手製薬企業の経営陣と会談しましたが、その席で、薬価引き下げや国内生産の拡大などを求めると同時に、新薬の承認プロセスの迅速化を確約し、米FDA(食品医薬品局)の新しいトップを早期に任命する方針を示しました。新薬承認プロセスの迅速化については、バイオ医薬品企業を含む製薬業界全体の研究開発コストの削減に繋がり、新薬開発を後押しするものとして好意的に捉えられており、会談の日のバイオ医薬品関連株式は上昇しました(図表4参照)。

薬価引き下げ圧力などが懸念材料となっているバイオ医薬品関連企業ですが、新薬の研究開発の面では、引き続き良好な環境が整っていると考えられます。

※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。

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