株式市場:直近の下落 | ピクテ投信投資顧問株式会社
2018/02/07グローバル

ポイント

2018年2月2日、米国金利が数年ぶりの水準にまで急上昇したことを契機として2月2日、2月5日と米国株式は大きく続落、世界の株式市場も下落しました。足元では、この下落が本格的な下落相場に繋がるのか、昨年からの急上昇に対する修正に留まるのかについて市場でも見方が分かれていると考えられます。 ピクテとしては、今後も金融政策や経済指標の発表を控え、市場の警戒感が高まることによる株価調整には注意が必要であるものの、足元では景気動向に不安要素は少なく、企業業績は堅調であるため、今後は企業業績を評価した相場となる可能性もあると見ています。

米国を中心に世界の株式市場は下落

米国金利が数年ぶりの水準まで急上昇したことをきっかけに、2018年2月2日(金)は前日比-2.5%、2月5日(月)は同-4.6%と、米国株式市場(ダウ工業株30種平均)は大幅に下落しました。世界の株式市場もこれにつられて下落し、日米欧で年初来の上昇が帳消しとなりました。

金融危機時よりは小さいダウの下落率

2月5日のNYダウ工業株30種平均の下落幅は過去ワーストであると報道されていますが、下落率(-4.6%)で見ると、リーマンショック(2008年)や欧州債務危機(2011年)などの過去の金融危機時と比べて小幅な下落となっていることがわかります(図表1参照)。

米国株式急落に伴い、VIX指数は急上昇

米国株式の急落に伴い、投資家心理を測る指標とされ「恐怖指数」と呼ばれる米国株式の変動性指数(VIX)も急上昇し、37.32で終えました(図表2参照)。中国の人民元切り下げで世界の株式相場が動揺した2015年8月24日以来およそ2年5ヵ月ぶりの水準となり、投資家の株式市場に対する警戒感が一気に高まったことが窺えます。

 

近年の調整局面との比較

近年のダウ工業株30種平均の調整局面と足元で、高 値からの下落率を比較すると、足元(2018年1月26日 ~2018年2月5日)では-8.5%に対してチャイナショック (2015年8月17日~2015年8月25日)は-10.7%、ブレ グジット(2016年6月23日~2016年6月27日)は- 4.8%となっています(図表3参照)。各々の大きな下落 を乗り越えて、米国株式は上昇してきているといえます。

 

 

バーナンキショック時よりも小さい金利上 昇幅

今回の下落の契機となったのは、堅調な経済指標から インフレ率の上昇と金融引き締めが連想されたことによ る米国金利の急上昇でした。

バーナンキショック(2013年5月2日~2013年9月5日) 時も金融引き締めが意識されたことで市場が下落しまし たが、この時、米国10年国債利回りは1.37%ポイント上 昇しました。これに対して、足元(2017年9月7日~ 2018年2月2日)の利回り上昇幅は0.8%ポイントであり、 金利の上昇幅も過去と比べて小さいことがわかります (図表4参照) 。

 

足元の景気動向に不安要素は少ない

過去、2008年の金融危機など本格的な下落相場と なった経済環境では、景気悪化が懸念されるか、信用 力不安を伴うケースが見られました。今回の局面では、 足元の経済指標を見る限り、景気動向に不安要素は少 ないように思われます。

例えば、5日に公表された、GDP(国内総生産)と連動性 が高いと見られる米ISM非製造業景況指数(18年1月) は59.9と、2005年以来の高水準でした。内容的にも先 行指標となる新規受注が改善するなど、景気に対する 不安は小さいように思われます。

次に、信用不安も足元見当たらないというのが現状認 識と思われます。もっとも、信用不安は表面化していな いケースもあり、予断は許されません。

 

企業業績は堅調に推移

地域別、業種別いずれで見ても世界的に企業の1株あた り利益(EPS)は上昇傾向であり、昨年の世界的な株式市 場の上昇は企業の利益成長に裏打ちされたものであった ことがわかります(図表5,6参照)。

 

予想株価収益率(PER)では過熱感なし

米欧の株式の実績PERは他地域よりも高い状況にありま すが、予想PERでは大きな差異はありません(図表7参 照)。

 

過剰流動性の解消が株価調整に繋がる 可能性

過去、日米欧の過剰流動性とPERの変化率は概ね連 動して推移してきました(図表8参照)。日米欧での金融 緩和政策によって流動性が高まり、株式市場に資金が 流入したことが株価上昇を後押しした面があると考えら れます。

足元では米国では利上げが既に開始されており、欧州 も金融緩和政策の出口戦略について模索している状況 にあります。

今後も、過剰流動性の解消が意識されることで、相対 的に割高となっている株式のバリュエーション調整が起 こる可能性はあります。

 

日本企業の利益見通しは堅調

日本企業について見ると、2018年、2019年ともに増益が 予想されています。PERで見ると日本株式は米国株式な どと比較して割安であり、魅力的なバリュエーション水準に あると考えられます(図表9参照)。

 

企業業績を評価した相場となる可能性も

足元の米国株式の下落は、金利上昇を契機として、昨年 来急ピッチで続いてきた上昇に対して調整が入ったものと 考えられます。

これまでの上昇を後押ししてきた金融緩和政策による過 剰流動性は今後解消に向かうと考えられるため、今後も 金融政策や経済指標の発表を控えて市場の警戒感が高 まることによる株価の一時的な調整には注意が必要です (図表10参照)。

一方で、足元では景気動向に不安要素は少なく、企業業 績は堅調に推移しており、今後は業績を評価した相場と なる可能性もあります。

 

※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。

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