プレミアム・ブランド、「復活」と「新潮流」が成長をけん引 | ピクテ投信投資顧問株式会社

プレミアム・ブランド、「復活」と「新潮流」が成長をけん引 グローバル 先進国 欧州/ユーロ圏

2018/09/03グローバル

ポイント

世界のプレミアム・ブランド企業の株式は足元で堅調に推移しています。この背景には、①中国の需要回復、②世界的な旅客需要の好転、③デジタル戦略の奏功などがあると考えられます。世界的な貿易戦争により世界経済の先行き懸念もある中で、プレミアム・ブランド企業は今後も、底堅い需要が見込まれると考えられます。

①中国のプレミアム・ブランド 需要の回復

高級ブランド市場を含むプレミアム・ブランド需要の動向を見る上で重要な鍵を握る中国の需要回復があります。 世界のラグジュアリー製品市場におけるおよそ3割が中国の人々に支えられているとみられています。

リーマン・ショック後、プレミアム・ブランド企業は急成長を達成しましたが、これをけん引したのが中国からの需要急拡大でした。中国人の富裕層による高級志向のみならず、企業等による贈答品としての需要などがありました。しかし、2012年後半に発足した習近平体制の下、汚職取締りの強化が進められたことなどを背景に、中国におけるプレミアム・ブランド需要は減速しました。

2016年後半以降、徐々に再び回復の兆しが見られ始めました。中国経済は、成長率の鈍化が懸念されながらも、現時点では安定的に成長を続けています。特に、投資から消費へと、構造転換が図られる中で、個人消費は堅調に推移しています。中国の消費者信頼感指数は、統計開始以来の高水準に達しています。

こうした旺盛な消費動向を背景に、主要ラグジュアリー・ブランド企業の業績も大きく改善傾向がみられています。
例えば、グッチ(ケリング(フランス)傘下)やLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンのアジア(除く日本)の売上高は足元で2ケタ成長と力強い伸びが示されています(図表1参照)。

図表1:アジア(除く日本)の増減収率推移 四半期、期間:2015年1-3月期~2018年4-6月期、

②世界的な旅客需要の 好転

世界的な旅客需要が堅調に推移していることも、プレミアム・ブランド企業の業績にとって追い風となっています。ラグジュアリー製品や化粧品などは特に、海外旅行の際に購入するという消費者が多いためです。また、旅先で高級ホテルに滞在する機会も増えると考えられます。

世界の航空旅客数の推移をみると、右肩上がりに増加傾向がみられるものの、過去においては、2001年の米国同時多発テロ、2003年のイラク戦争、SARS(重症急性呼吸器症候群)感染の拡大、2008年のリーマン・ショック後などには旅客数が停滞しました(図表2参照)。また、2015年には、年間でみると旅客数自体は大きくマイナスの影響を受けていないものの、年後半にフランスなどでテロが多発した際には、同地域への旅行のキャンセルなどが相次ぎました。

足元では、世界的な景気回復などを背景に旅客需要は順調に拡大が続いています。
実際に、旅客需要の好転による売上成長への貢献を示唆する内容の決算が発表されています(図表3参照)。

図表2:世界の航空旅客数の推移 年次、期間:1996年~2017年、図表3:旅客需要回復の恩恵の例 2018年4-6月期決算

③デジタル戦略の奏功 ~新しい顧客層の獲得~

【存在感を増す、ミレニアル世代】

世界的にインターネットの利用は大きく拡大し、様々なモノやサービスの購入にも利用されるようになっています。 実際に、世界的なeコマースサイトを運営するアマゾン(米国)のオンライン・ストアにおける売上高動向を、実店舗が中心の米国の百貨店(ここではノードストロームとメーシーズ)と比較すると、アマゾンは大きく売上高を伸ばしている一方、米国経済が回復基調にある中でも百貨店については売上高が低調な推移となるなど、消費の「デジタル化」が進んでいることがうかがえます(図4参照)。

図表4:eコマース市場の拡大を示す例 ~アマゾンのオンライン・ストアと米百貨店売上高~

【存在感を増す、ミレニアル世代】

消費の分野において「ミレニアル世代」が存在感を増していることも、消費の「デジタル化」の流れに拍車をかけていると考えられます。
「ミレニアル世代」とは2000年以降に成人、あるいは社会人になる世代を指します。この世代の特徴は、デジタル機器やインターネットが普及した環境に生まれ育った最初の世代で、“デジタルネイティブ”と呼ばれることもあります。こうした世代は、インターネットやSNSを巧みに使い情報収集や情報拡散を行うことに長けていることなどから、新たな消費トレンドを生みだすと考えられています。

【プレミアム・ブランドでもデジタル戦略の成功が勝ち組の条件に・・・】

消費の「デジタル化」というトレンドの変化を受けて、プレミアム・ブランド企業も、これまでの実店舗中心の販売網から、オンライン販売をはじめとしたデジタル戦略に力を入れ始めています。

今やプレミアム・ブランド企業の多くは、ウェブサイト、SNSなどを通じて、ブランド自身やそれぞれの商品の裏にあるストーリーを紹介し共感を得るなど、ただ商品を販売するだけでなく、実店舗と同様な、またはそれ以上の特別な「経験」も同時に提供することで、差別化を図り、顧客のブランドに対するロイヤルティを高めています。
デジタル化を進めることにより、これまで実店舗だけではリーチできなかった都市部から離れた地方の顧客の掘り起こしや、新しい顧客層であるミレニアル世代の取り込みが可能になると考えられます。デジタル戦略の成否は、今後のプレミアム・ブランド企業の中でも勝ち組となる条件の1つともなりえるため、注目されます。

実際の例をみると、ケリング(フランス)傘下の「グッチ」の売上高のうちオンライン売上高は、2017年時点でも約4%程度に留まっていますが、伸び率でみると、2年前の2015年と比較して2倍に急拡大しています。

また、「グッチ」の世代別の売上高(2017年)をみると、ミレニアル世代が既に50%を超えていることなどからも、デジタル戦略の成功が成長ドライバーの1つとなっていると考えられます。

なお、Bain & Companyの調査によると、個人向け高級品市場におけるオンライン販売は、2017年には前年比+24%増加し、全体の9%を占めるとされています。今後もオンライン販売は拡大し、2025年には全体の25%を占めるに至ると予想されています。また、個人向け高級品市場におけるミレニアル層とほぼ同義のジェネレーションY(1980年~95年ごろ生まれ)による購入(金額ベース)は30%に達したと推定されています。 

出所:Bain & Company 「Luxury Goods World Wide Market Study, Fall-Winter 2017」

図表5:デジタル世代の消費パターン例、図表6:プレミアム・ブランドの購入でもデジタル化が進んでいる例 ~「グッチ」の例、

(※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。)

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