米国株式市場急落~米国の中間選挙控え当面注視が必要 | ピクテ投信投資顧問株式会社

米国株式市場急落~米国の中間選挙控え当面注視が必要 北米 米国 日本 欧州/ユーロ圏 新興国 グローバル

2018/10/11グローバル

ポイント

10月10日の米国株式市場は急落し、2月以降で最大の下げ幅を記録、世界の株式市場全体も下落となりました。急落の背景には、①米長期金利の急激な上昇、②IMFが貿易戦争の影響に言及し世界経済見通しを下方修正したこと、③トランプ政権の「顔」だったヘイリー米国連大使の辞任、など外部環境が厳しさを増していることが大きな理由と考えます。米国の中間選挙などを控え、それまでに不透明感が払拭される可能性は低い一方で、10月中旬以降に発表される米国の企業決算次第では、市場が落ち着きを取り戻す可能性も考えられます。好材料と悪材料の影響が拮抗する状況のなか市場の変動が大きくなる可能性があり、当面注視が必要と考えます。

米国株式市場急落~中国との貿易戦争の影響をめぐる懸念が再燃

2018年10月10日(水)の米国株式市場は急落し、2月以降で最大の下げ幅を記録し、世界の株式市場全体も下落となりました。 急落の背景には、①米長期金利の急激な上昇、②IMFが貿易戦争の影響に言及し世界経済見通しを下方修正したこと、③ヘイリー米国連大使の辞任など中間選挙を前にトランプ陣営にとって逆風が強まっていること、などの外部環境が厳しさを増していることが大きな理由と考えます。 10月9日には、国際通貨基金(IMF)が最新の世界経済見通し(WEO)を公表し、世界全体の成長率予測を2年ぶりに下方修正し、貿易戦争が拡大した場合の最悪のケースでは世界経済の成長率が19年以降に最大約0.8%下振れすると警告しました。

中国との貿易戦争の影響をめぐる懸念の再燃により、影響をより受けると懸念される情報技術(IT)セクターや資本財サービスなどの下落幅が大きくなりました。一方、公益などのディフェンシブセクターは下落したものの相対的に小幅な下落にとどまりました。

こうしたなか、10月10日のS&P500種指数は3ヵ月ぶりの安値を付け、ダウ平均は832ドル下落しました。ナスダックは4.1%の下落、S&P500種も5営業日連続と、トランプ氏の大統領選勝利以降で最長の連続安を記録しました。市場センチメントの悪化から、VIX指数は同+43.9%の上昇となりました。 ハリケーン上陸、メキシコ湾岸の石油設備閉鎖や米国企業の弱気の業績見通しなどもマイナスに影響しました。

 

市場見通し

好調な企業業績、安定的な経済成長、これまでのところは貿易戦争の経済への影響が顕在化していないこと等の好材料が、米連邦準備制度理事会(FRB)によって世界の金融システムから流動性が継続的に吸収される流動性逼迫の影響を緩和してきました。 こうしたなか、企業業績は好調さを維持しているものの、利益の伸びの鈍化を示唆する兆しが散見されはじめたこと、貿易戦争の影響を抑えてきた、駆け込み需要や中国元安、レパトリ減税による米国への資金の還流などの影響が薄れてくれば、貿易戦争の影響が顕在化し、市場のセンチメントにマイナスの影響を与えることには注視が必要と見られます。 好材料と悪材料が拮抗する状況は、今後数ヵ月間、継続することが予想されます。 悪材料としては、FRBのバランスシート縮小のペースは今月(10月)初旬にもピークを付けることが予想されますが、一方、欧州中央銀行(ECB)の資産購入プログラムは今年中にも終了の予定です。英国のEU離脱、イタリアの財政悪化懸念など外部環境の厳しさが残ります。 好材料としては、このような環境下、米国では2019年第1四半期(1-3月期間)中に財政刺激策の大半が実行に移されるものと予想され、中国では、景気減速の兆しが鮮明になった後、政府が過剰債務圧縮の手を緩め始めています。 ただし、ヘイリー米国連大使の辞任など中間選挙を前にトランプ陣営にとって逆風が強まっており、減税などの政策実行への妨げになる可能性には注視が必要とみられます。 米国の中間選挙なども控え、それまでに不透明感が払拭される可能性は低くい一方で、10月中旬以降に発表される企業決算次第では、市場が落ち着きを取り戻す可能性も考えられます。 上述の、好材料と悪材料の影響が拮抗する状況のなか市場の変動が大きくなる可能性があり、当面注視が必要と考えます。

 

IMF世界経済見通し:貿易戦争懸念などで世界経済の成長率予想を2年ぶりに下方修正

国際通貨基金(IMF)は2018年10月9日に最新の世界経済見通し(WEO)を公表し、18年、19年の世界全体の成長率予測を3.7%と7月時点(3.9%)から0.2%下方修正しました(図表1、2参照)。世界経済見通しの下方修正は16年7月以来、約2年ぶりとなります。 また、IMFは米政権が仕掛ける貿易戦争が拡大した場合の世界景気への影響も試算し、最悪のケースでは世界経済は19年以降に最大約0.8%下振れすると警告しています。

どこに注目すべきか: 世界経済見通し、貿易戦争、政策金利

昨年10月、IMFは世界経済の上昇局面は力強さを増していると述べていました。今回のWEOでは、足元の回復は継続が見込まれるも、世界経済の成長に対するリスクは下振れリスクが優勢と表現しています。背景に、債務の増加、金利上昇、貿易戦争の悪化懸念などを指摘しています。特に貿易戦争については想定されるシナリオに対して経済への悪影響も試算しています。 なお、IMFは今回のWEOで、鉄鋼やアルミ、中国製品への輸入に対する合計2500億ドル(500と2000億ドル)の関税の影響は成長率予想に反映させていると説明しています。 この点を踏まえ、まず、18年の成長率予想を振り返ると、世界全体は0.2%下方修正されましたが、先進国は2.4%で前回と変更ありません。IMFは18年の米国成長率は貿易戦争からの影響を小幅にとどまるとする一方、財政政策が成長を支えるため、2.9%という相対的に高い成長率を見込んでいます。日本は設備投資拡大などによる景気押し上げを反映して0.1%上方修正し、1.1%としています。反対にユーロ圏の回復ペースの減速を反映して2.0%へ下方修正しました。 次に18年の新興国の成長率を見ると4.7%へと、IMFは0.2%下方修正しました。マイナス要因として、例えばブラジルは0.4%下方修正されていますが、5月のトラック運転手のストライキの景気への影響を反映させたと説明しています。 また、原油価格の上昇で、トルコなど輸入国の成長へのマイナス寄与も新興国の下方修正の背景と指摘しています。尚、新興国は18年、19年共に利上げの影響も指摘しています。 次に、図表2で19年の成長率を見ると、先進国、新興国共に下方修正されています。 先進国の下方修正は米国がけん引し、19年まで財政政策の下支えは期待されるも、主に米中貿易戦争の影響で、経済成長率は悪影響を受けると、IMFは見込んでいます。 新興国の19年の成長率も下方修正されました。中国は米国の制裁関税の影響で0.2%下方修正されています。インド、ブラジルなど主要新興国も、下方修正されています。 より大幅な下方修正が東欧の新興国に見られます。東欧の国々は小国かつ開放度が高く、経済に占める貿易の割合が高い傾向があるため影響が大きいと見られます。 今回のWEOは下方修正リスク、特に貿易戦争についての言及が目立ちます。

※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。

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