大きく変動する世界の株式市場~当面注視が必要 | ピクテ投信投資顧問株式会社

大きく変動する世界の株式市場~当面注視が必要 北米 米国 日本 欧州/ユーロ圏 新興国 グローバル

2018/10/26グローバル

ポイント

10月24日、一部企業の決算や業績見通しへの失望などを背景に米国株式市場が急落、翌日(10月25日)のアジア市場も大きく下落する動きとなりました。10月25日の米国株式市場は反発しましたが、アマゾン・ドット・コムやアルファベットの決算に対する失望から米国株式指数の先物は下落、VIX指数も高い水準にあります。引き続き企業決算や業績見通しの内容、貿易戦争の経済への影響などについて注視していく必要があると考えます。

米国株式市場急落、一部企業の決算や業績見通しに失望感

2018年10月24日(水)の米国株式市場は急落し、その影響は翌日(10月25日)のアジア市場にも波及しました。10月25日の米国市場は反発しましたが、引き続き世界的に株価の変動が大きな状況が継続しています(図表1参照)。

10月24日の米国株式市場は、前日に資本財セクターの代表的な銘柄のひとつである建設機械大手キャタピラーが鉄鋼価格上昇や米国の関税に伴うコスト上昇に関して警戒感を示したことなどが不安材料となる中、米半導体製造大手テキサス・インスツルメンツや米通信大手AT&Tの決算内容が投資家の失望を誘い半導体株や通信株などが大きく下落、S&P500種株価指数が前日比-3.1%、ハイテク銘柄の多いナスダック総合指数が同-4.4%と急落しました。また、この日発表された9月の米新築一戸建て住宅の販売戸数が、約2年ぶりの低水準を記録したことで米国における金利上昇が経済に与える影響に対する警戒感が広がったことなどが株価下落の背景となりました。

10月24日の米国株式市場の下落は、翌日(10月25日)のアジア市場にも波及し、日経平均株価が前日比-3.7%、台湾・加権指数が同-2.4%と大きく下落しました。一方、10月25日の米国株式市場は、前日の急落を受けて買い戻しが入りやすい中、マイクロソフトやツイッター、テスラの好決算が株価を押し上げる結果となりました。ただし、引け後に発表されたアマゾン・ドット・コムやグーグルの親会社アルファベットの決算に対しては市場では失望感が広がっており、10月26日は米国株式指数の先物が下落、その影響は日本株式や台湾株式、中国株式などアジアの株式市場にも拡大しています。また10月前半に続き再びVIX指数が20を超える水準まで上昇しており、投資家の不安が高まっていることを示しています(図表2参照)。

 

 


 

市場見通し

好調な企業業績、安定的な経済成長、これまでのところは貿易戦争の経済への影響が顕在化していないこと等の好材料が、米連邦準備制度理事会(FRB)によって世界の金融システムから流動性が継続的に吸収される流動性逼迫の影響を緩和してきました。

こうしたなか、企業業績は好調さを維持しているものの、一部企業で決算や見通しが市場予想を下回るなど利益の伸びの鈍化を示唆する兆しが散見されはじめたこと、これまで貿易戦争の影響を抑えてきた駆け込み需要や中国元安、レパトリ減税による米国への資金の還流などの影響が薄れてくれば、貿易戦争の影響が顕在化し、市場のセンチメントにマイナスの影響を与えることには注視が必要と見られます。

悪材料としては、FRBのバランスシート縮小のペースが10月にもピークを付けることが予想される一方、欧州中央銀行(ECB)の資産購入プログラムは今年中にも終了の予定です。英国のEU離脱、イタリアの財政悪化懸念など外部環境の厳しさが残ります。

好材料としては、このような環境下、米国では2019年第1四半期(1-3月期間)中に財政刺激策の大半が実行に移されるものと予想され、中国では、景気減速の兆しが鮮明になった後、政府が過剰債務圧縮の手を緩め始めています。

ただし、ヘイリー米国連大使の辞任など中間選挙を前にトランプ陣営にとって逆風が強まっており、減税などの政策実行への妨げになる可能性には注視が必要とみられます。

米国の中間選挙なども控え、それまでに不透明感が払拭される可能性は低いと考えます。また、現在発表が続いている企業決算次第では、市場の動きが大きくなる可能性も考えられます。

上述の、好材料と悪材料の影響が拮抗する状況のなか市場の変動が大きくなる可能性があり、当面注視が必要と考えます。

 

 

※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。

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