低金利なので信用リスクを取るしかないのか | ピクテ投信投資顧問株式会社

低金利なので信用リスクを取るしかないのか グローバル 先進国 新興国 新興国債券

2019/07/31グローバル

ポイント

債券投資において低金利の状況が長期化する現状、債券への投資家はリスクとリターンの的確な組み合わせを考える必要があります。

もし20年前に、かろうじてインフレ率を上回る程度の利回りの10年国債への投資を提案されたら、あなたは、きっと即座に断ったでしょう。しかし、現在のように低金利が定着している状況では、真剣に検討するのではないでしょうか。

先月オーストリアが「世紀債」と呼ばれる100年国債を発行しましたが、利回りが1.2%にもかかわらず、需要は発行額の5倍となりました。このような100年債の利回りで応募が殺到するような事態は、ばかげたことだと思いますが、世界で13兆米ドル相当の債券利回りがマイナスであることを勘案すると驚くことではないかも知れません。

このようなマイナスの利回りといった状況は、すぐには終わらないかも知れません。直近の情報では、欧州中央銀行(ECB)も米連邦準備制度理事会(FRB)も、来月以降に政策金利を引き下げる見通しです。

債券の利回りを重視する投資家は、このような低金利の状況下で、どのように対応すべきでしょうか。現状の低金利を受け入れるか、もっとリスクを取ってより高い利回りを目指すかしか、選択肢はなさそうです。

投資家の選択肢は、このような二者択一しかないのでしょうか。正しい選択をするために、投資家はこの2つの選択肢で妥協する必要はないかもしれません。

現在の史上最低水準の債券利回りが長く続く状況において、例えば絶対収益追求型の債券投資が、ここ数年間注目されています。

歴史的に見て、高い政府債務の水準は、経済成長率の鈍化によるものであり、またインフレ率は低水準となっています。ということは、債券の利回りが低下する結果となります。(図表1ご参照) 今年の年初に見られたように、たとえFRBが政策金利の引上げを行うといった短期的な経済情勢の変化があったとしても、低金利の状況は継続しています。

図表1: 米国10年国債利回りと消費者物価上昇率
期間:1962年1月31日~2019年6月28日

 

※緑線:米国10年国債利回り(%)、赤色:消費者物価指数(前年比、%)

出所:ピクテ・アセット・マネジメント

このような環境下、従来の主要な債券投資戦略よりも、より幅広い観点から投資機会を探る必要があります。ただし、根本的に重要なことは、投資するポートフォリオがバランスの取れたリスク水準であるかがポイントとなります。

信用リスクは避けたい

リスクの高い投資対象として、投資適格の最低水準であるBBB-格の米国社債に投資する価値があると考えます。BBB-格の社債の価格は下落する可能性があることから、現在魅力的な水準で取引されています。歴史のある大企業を含むBBB-格の社債の発行体は、M&A(買収・合併)が終了した後に債務の削減を行います。このような動きを背景として、BBB-格の社債に対する魅力ある投資機会が存在します。

社債についてはFRBの政策金利の引き下げや、その後の景気拡大局面において値上がりの可能性があります。

しかしながら、BBB-格の社債は経済成長率の鈍化や、景気後退局面において下落する可能性があります。景気後退をメインシナリオとしていないものの、ピクテの債券投資のアプローチには景気後退の確率やリスクを想定しています。我々の目的は、たとえ市場が上昇しようが下落しようが、投資家にプラスのリターンをもたらす可能性のあるシナリオを検証することです。BBB-格の社債を、単純に買い持ちにしていることは、我々の目的からするとリスクが高過ぎます。そのため、魅力的なリターンを確保しつつ、低コストのリスク分散の手法を探す必要があります。

リスク分散の手法としては、満期が10年から30年のデュレーションの長い米国国債への投資によって、BBB-格の社債のポジションをヘッジすることができます。歴史的に見て、このような米国国債のリターンは、BBB-格の社債とは負の相関関係にあり、ヘッジ手段として良い組み合わせです。(図表2ご参照)もし米国が景気後退になると、米国債の利回りは現在予想されている以上に低下し、より長期にわたって低金利が続き、米国債の長期ゾーンから利益を生むことができます。今年はじめの、債券市場の下落時にピクテは、このようなポジションを取りました。

図表2: BBB-格の米国社債と米国国債の相関係数
期間:2001年12月31日~2019年6月30日

 

出所:ピクテ・アセット・マネジメント

同様に、欧州の不動産業が発行する投資適格債への投資に対して、長期のドイツ国債でヘッジしています。

バランスのとれた新興国債券投資

一方、利回りとボラティリティの魅力的なトレードオフから、収益を確保するといった関係は先進国だけに留まりません。新興国の債券市場でも見られます。

新興国の債券市場は、米国金利の変化に対して敏感です。新興国債券市場では、これまでの中国がよりバランスの取れた経済へ移行することによって、既に利益を確定することができました。これに加えて、米国の政策金利の引き下げによって、さらに新興国債券投資のパフォーマンスを高めることが可能となります。

米ドル建ての新興国債券は、今後ボラティリティ調整後の魅力的なリターンを得る機会を提供すると見ています。しかしながら、長期投資の可能性はさておき、新興国債券は短期リターンを得る市場として知られています。ピクテは、短期的な価格変動に対して、新興国通貨と米ドルを総合的に判断してショートポジションを取り、リスクを低下させることができると考えます。

市場の方向性を占ううえで、経済情勢と政治動向の把握は非常に困難です。そして、経済見通しを正しく把握さえすれば、ピクテの運用成果が評価されるとは考えていません。代わりに、長期的な経済的な構造上の傾向を把握して、この傾向から生まれる投資機会を見つけることに集中し、またあらゆる機会を通じてリスクのバランスと分散に努めます。利回りが史上最低水準で、政府債務が史上最高水準ということが同時に起こっている現状、このような投資手法は意味があると見ています。

(※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。)

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