ロシア格下げ、わかってはいたことですが | ピクテ投信投資顧問株式会社

ロシア格下げ、わかってはいたことですが ロシア 欧州/ユーロ圏

今回のS&Pによるロシアの格下げで外貨建て長期債の格付けは非投資適格債(ジャンク債)となりましたが、格下げ理由を見ると、ロシアが格下げの理由となった要因を短期的に解消できる見込みは低く、注視が必要と思われます。

ロシア格付け:S&P、ロシアを10年ぶりに非投資適格へ格下げ、ルーブルは急落

米格付け会社スタンダード&プアー ズ(S&P)は、2015年1月26日、ロシアの外貨建て長期債格付けをBBB-からBB+へ、自国通貨建て長期債格付けをBBBからBBB-へ、それぞれ1段階引き下げました。見通しは弱含み(ネガティブ)としています。ロシアの外貨建て長期債格付けを2005年1月以来、10年ぶりに非投資適格級に引き下げました。S&Pは2014年12月23日にロシアの格付けに対しネガティブウォッチ(格下げ方向で見直し)を付与、見直しの結果の格下げです。

どこに注目すべきか:ロシア格下げ、外貨準備高、ムーディーズ

今回のS&Pによるロシアの格下げで外貨建て長期債の格付けは非投資適格債(ジャンク債)となりましたが、格下げ理由を見ると、ロシアが格下げの理由となった要因を短期的に解消できる見込みは低く、注視が必要と思われます。

ロシアの格付けを見るポイントは次の通りです。

まず、S&Pが格下げを決定した理由ですが、1つ目はウクライナとの緊張や西側諸国の経済制裁を受け、ルーブル安、インフレ懸念などが進行する中、ロシア中央銀行の対応余地が狭まっている点をS&Pは指摘しています。ルーブル安を抑制するため、政策金利の引き上げや外貨準備による為替介入により対応していますが、17%という政策金利はすでに高水準で、外貨準備も過去半年で千億ドル弱(約10兆円)減少しています(図表1参照)。外貨準備の残高は依然巨額とはいえ、減少ペースは加速しており、中央銀行がルーブル安に対応する能力の低下が懸念されます。


図表1:ロシアの政策金利と外貨準備高の推移
(日次、期間2013年9月13日~2015年1月26日 外貨準備高は月次)

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

2つ目の理由はロシアの経済成長見通しの悪化で、S&Pはロシアの2015年成長率をマイナス2.6%と見込んでいます(図表2参照)。原油価格の動向に左右される面はあるものの、 2016年以降はプラス成長率に戻ると見ていますが、低水準での推移をS&Pは見込んでいます。


図表2:ロシアGDP(国内総生産)成長率の実績と予想
(年次、期間:2010年~2018年、2014年~18年はS&P予想値)

 

出所:S&PのHPのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

次に、今後の注目点です。目先、別の格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ムーディーズ)の動向に注意が必要です。ムーディーズは先月ロシアに対し、BBB-に相当するBaa3への格下げとネガティブウォッチの付与を行っているからです。ムーディーズは引下げの基準として、主にロシアの外貨準備高の減少と財政に注目しています。ロシア政府の財政は現状は健全(したがって投資適格を維持)ですが原油安や西側の制裁が続いた場合、銀行セクターや民間企業への支援がロシア政府の財政を悪化させるリスクを懸念しているためです。ムーディーズは数ヵ月以内に格付けの判断を示すものと見られます。

ロシアの潜在的な成長力に依然魅力はあるものの、目先の変動性には注視が必要と思われます。

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