ギリシャ交渉の今後、百里を行く者は九十九里をもって半ばとす | ピクテ投信投資顧問株式会社

ギリシャ交渉の今後、百里を行く者は九十九里をもって半ばとす 欧州/ユーロ圏 ギリシャ

ギリシャ新政権が緊縮策反対の姿勢から、欧州連合(EU)などとの交渉を開始する姿勢を示したことで、国債市場は反発しましたが、本格的な回復には金融支援の期限延長、緊急流動性支援の継続の確認が必要と思われます。

ギリシャ新政権:反緊縮政策から一転、金融支援に向け交渉を模索か

ギリシャ政府がユーロ圏諸国への債務減免要請を後退させたとの報道を受け、2015年2月3日の欧州債市場ではギリシャ国債が上昇(利回りは低下)しました(図表1参照)。信用リスクの保険として利用されるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場でもギリシャ国債の保証コストが低下しています。ギリシャ国債が上昇した背景は、ギリシャのバルファキス財務相が2月2日にロンドンで開かれた投資家との会合で、欧州中央銀行(ECB)と欧州金融安定ファシリティ(EFSF)に対する債務の一部を新発債と交換する計画の概要を説明 したと報道されたことなどによります。

図表1:ギリシャ国債市場の推移
(日次、期間:2014年2月3日~2015年2月3日)

 

出所:各種報道、EFSF等のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:ギリシャ債務、EFSF、ELA

ギリシャ新政権は総選挙前の緊縮政策反対の姿勢から、欧州連合(EU)などとの金融支援の方向で交渉開始姿勢を示したため、昨日のギリシャ国債市場は反発しましたが、本格的な回復を期待するには、2月28日の金融支援の期限の延長、ECBが緊急流動性支援の継続を認めることを確認することが必要と思われます。

まず最初にギリシャの政府債務の状況を確認します(図表2参照)。2014年9月末時点でギリシャ政府債務は約3,155億ユーロ(42兆5,900億円)程度と見込まれます。そのうち5割弱がEFSFで、ギリシャの最大の債権者はEFSFとなります。


図表2:ギリシャ政府債務の構成比のイメージ
(期間:2014年9月末)

 

出所:各種報道、EFSF等のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

次に、投資家の間で取引もしくは保有されているギリシャ国債の額についてみてみると、長期国債のみでは700億ユーロ弱で、短期国債を加えても800億ユーロ超と見られます。

しかも長期国債のうち4割程度はECBが保有していると見られます。

EFSFの元本返済は2033年までとなっており、先の話ですが、問題はEFSFから受けている他の金融支援(公的資本注入基金)で2015年2月28日が(延長の)期限となっています。

しかし、ギリシャではギリシャ中銀が預金流出で資金不足の民間大手3行に20億ユーロの緊急支援を行ったことが報道されています。ECBの許可が必要な緊急流動性支援(ELA)はギリシャ政府は少なくとも2015年5月までは継続が必要としていますが、EUとの交渉でEFSFからの金融支援が延長されなければ、ELAの継続も困難と思われます。

(予想されたこととはいえ)ギリシャが反緊縮姿勢からEUと交渉する姿勢を示したことは前向きな話ですが、安心するのはまだ先の話のように思われます。

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