ブラジル、景気鈍化でインフレ率上昇の理由 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジル、景気鈍化でインフレ率上昇の理由 ブラジル 中南米

景気が良く、インフレ率が上昇しているならともかく、現在のブラジルは景気が悪い上にインフレ率も上昇していますが、ブラジルの高いインフレ率は、景気鈍化の背景ともなっていると見られることから、その理由を探ります。

ブラジル週次経済調査:マイナスの経済成長が予想される中、インフレ見通しは悪化

ブラジル中央銀行が2015年2月23日に公表した(2月20日実施分)週次のブラジル経済調査(エコノミスト100人の予想を集計)によると、2015年末のインフレ率は前年同月比7.33%と、前週の予想(同7.27%)を上回りました。またGDP(国内総生産)は前年同期比でマイナス0.5%と前週の予想(-0.42%)よりもマイナス幅が拡大しました。

どこに注目すべきか:ブラジル管理価格、食料品価格、原油下落

景気が良く、インフレ率が上昇しているならともかく、現在のブラジルは景気が悪い上にインフレ率も上昇しています(図表1参照)。ブラジルの高いインフレ率は、景気鈍化の背景ともなっていると見られることから、当レポートではブラジルの高インフレ率の理由を探ります。

1つ目はエネルギー価格や公共交通など管理価格の上昇です。例えば、ブラジル政府が支出削減として補助金削減を認可したため住宅用電力価格は足元急上昇しています(図表1参照)。また、サンパウロなど6州でバス運賃が値上げされました。その他、燃料税引き上げなど増税も小売価格の上昇要因になったと見られます。

2つ目は原油価格下落の恩恵がインフレ率低下に結びつかなかったと見られることです。例えば、ブラジルは原油を輸出する一方、ガソリンなど精製品を輸入する構造ですが、原油価格が低下しても管理価格となっているガソリン価格などは下がりにくいといった傾向が見られます(図表2参照)。

3つ目は、消費者物価指数の構成ウェイトが約25%と組み入れ割合が高い食料品価格の上昇です(図表1参照)。ブラジルは2013年から14年にかけ高温と干ばつの影響で食料品価格が急騰したこともインフレ率上昇の背景と見られます。では、見通しはどうか。3つ目の食料品価格については2015年になり散発的ながら降雨も見られ、解消が期待されます。

一方で、管理価格の上昇はブラジル中央銀行が最新の議事録で2015年は9.3%の上昇を予想するなど、当面続きそうですが、2016年にブラジル中銀は5.1%への低下を予想しています。ブラジルは2014年後半より格下げ懸念が台頭しており、その対応策として財政健全化を進めるために補助金の削減等を行っている模様で、財政の景気に対する下支えは足元、期待しにくい状況です。その上、インフレへの対応として政策金利も引き上げられていることも景気にはマイナスです。しかしながら、現政権による構造改革への取り組みは最近の政権には見られないもので、市場が評価する可能性も考えられます。案外、夜明け前が一番暗いということなのかもしれません。

図表1:ブラジル消費者物価指数と主な構成項目
(月次、期間:2012年1月~2015年1月、前年同月比)

 
図表2:原油先物価格とブラジルのガソリン価格の推移
(月次、期間:2010年1月~2015年1月、前年同月比)

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

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