利上げでもレアルが軟調な理由は | ピクテ投信投資顧問株式会社

利上げでもレアルが軟調な理由は 中南米 ブラジル

ブラジル中銀の0.5%の利上げは上昇傾向が続くインフレへの対応と見られます。一方で、相次ぐ利上げにも関わらずレアルの下落が続く状況で、足元レアル安の背景として財政健全化の進展とペトロブラス問題に注目しています。

ブラジル政策金利:ブラジル中銀、政策金利を0.5%引き上げ、2009年以来となる12.75%へ

ブラジル中央銀行は2015年3月4日の金融政策委員会で政策金利を0.5%引き上げ、12.75%とすることを決めました(図表1参照)。0.5%の利上げは3会合回連続で、2014年10月に 0.25%の利上げを実施していることから、4回連続の利上げとなります。景気回復が鈍い中、インフレ率上昇への対応を維持した格好です。市場では大半が0.5%の引上げを予想していたと見られます。金融政策委員会の声明によると、今回の決定は全会一致で、マクロ経済シナリオとインフレ見通しを考慮した結果だったと述べています。

図表1:ブラジル政策金利とレアル(対ドル)の推移
(日次、期間:2012年3月5日~2015年3月4日)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:税制優遇措置、ペトロブラス、格付け

今回、ブラジル中銀の0.5%の利上げは上昇傾向が続くインフレへの対応と見られます(図表2参照)。一方で、相次ぐ利上げにも関わらずレアルの下落が止まらない状況です。足元のレアル安の背景として以下の点に注目しています。

図表2:ブラジル消費者物価指数(前年同月比)の推移
(月次、期間:2010年3月~2015年2月)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

まず、注目は、ルセフ大統領と連立を組むブラジル民主運動党(PMDB)のレナン上院議長がルセフ大統領の税制優遇措置を縮小する計画を議会で拒否したことです。財政健全化を優先しているルセフ第2期政権ではレビィ財務相のもと、税制優遇措置の撤廃や補助金削減のため政府管理価格の上昇容認を進めてきました。しかしレナン上院議長の対応を見ると反対も根強く、景気回復が鈍い中で、財政健全化法案が議会で否決されることが懸念されます。

次に、国営石油会社ペトロブラスの不正献金問題です。ブラジル検察当局は3月3日、不正献金問題で政治家を対象とする捜査の許可を最高裁に求め、報道によると、検察は政治家を含む54人を対象とした捜査への承認を求めた模様です。政治家の関与の有無が今後の焦点となる見込みです。

その上、ペトロブラスの不正献金問題の捜査にPMDBの議員が含まれている可能性もあり、捜査をめぐって、連立政権内に不協和音が高まる可能性があります。2014年10月の大統領選挙では僅差で再選したルセフ大統領の政権基盤は磐石でない面もあるだけに、財政健全化を進めるには、議会対応に手腕が求められる局面です。

ブラジルは景気動向などに懸念はあるものの、財政再建を重視するルセフ新政権の姿勢について、格付け会社からもある程度評価されている面もあるだけに、財政健全化路線の維持とペトロブラスの捜査の行方に、当面は注意を払う必要があると思われます。

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