ブラジル、土俵際の粘りだが | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジル、土俵際の粘りだが 中南米 ブラジル

格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)はブラジルのソブリン格付けを投資適格級で最も低い格付けであるBBB-(マイナス)で据え置くと発表しました。目先の格下げ懸念が後退したことはレアルにはプラス要因と思われます。

ブラジル格付け:S&PブラジルをBBB-(マイナス)で据え置き

格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は2015年3月23日、ブラジルのソブリン格付けを投資適格級で最も低い格付けであるBBB-(マイナス)に据え置くと発表しました(図表1参照)。見通しは「安定的」で維持するとしています。S&Pはリリース文の中で、ブラジルが景気低迷と政情不安にもかかわらず緊縮財政への対応などを継続していることで、ブラジル政府に対する信頼の回復と、将来的には財政の改善と一段と力強い成長につながるとの見方を示しています。

図表1:ブラジル長期債格付けの推移
(期間:2005年3月31日~2015年3月23日)

 

※ブラジル長期債格付け:S&Pの外貨建て並びに自国通貨建て格付けについて各月末時点の格付けを表示

どこに注目すべきか:ブラジル長期債格付け、構造改革、スワップ

米国の利上げを視野に新興国通貨が全般に軟調な中、ブラジルレアルはインフレ率の高止まりや景気減速、足元ではルセフ大統領の支持率低下を背景に大幅なマイナスとなっています。加えて、格下げ懸念とブラジル当局のレアル安容認姿勢観測もマイナス要因でしたが、格付けについては今回の据え置きで最悪の事態は回避できたものの、他の懸念要因には依然注視が必要と見ています。

まず、ブラジルの長期債格付けを確認すると、S&Pは外貨建て格付けを投資適格債ぎりぎりのBBB-としています。ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ムーディーズ)とフィッチ・レーティングス(フィッチ)はブラジル長期債(レアル建て、外貨建て共に)の格付けを最低投資適格債から1段階上のBBB (または相当する)としています。見通しはムーディーズは弱含み(ネガティブ)ですが、フィッチは安定的(ステーブル)です。今回S&Pもブラジルの見通しを安定的とした点はレアルにとってプラス材料と見ています。

S&Pがブラジルの格付けを据え置いた理由は新政権の構造改革への取り組み姿勢を評価したためで、今日のヘッドライン2015年2月24日号に概ね沿った内容です。ルセフ第2期政権がブラジル・コストとも言われる管理価格への改革を進めていることや、インフレ対応を重視した金融政策も評価しています。さらにS&Pは長期的な経済成長の要因として、民間部門のインフラ投資への参加拡大への期待を述べるなど、構造改革と経済成長のバランスに配慮した内容となっています。

足元レアルは米国の利上げ時期後退観測などを受けやや回復していますが(図表2参照)、今は汚職問題で強烈な逆風のルセフ政権ですが、政策内容の評価が高まる可能性もあると思われます。


図表2:レアル(対ドル)レートの推移
(日次、期間:2014年3月24日~2015年3月23日)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

なお、足元、市場ではブラジル当局はレアル安容認との見方もあります。中銀が3月のレアル安の進行で通貨スワップによる対応を控えた等が理由です。ブラジル中央銀行のトンビニ総裁に対する上院の公聴会が3月24日に予定されており、3月末終了予定の通貨安抑制プログラムの継続の有無が注目されています。すでにスワップ規模を縮小していることから既存スワップの残高維持ならばレアルに中立と見ています。

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