ギリシャのユーロ圏離脱、ありえないリスクからありえるリスクへ | ピクテ投信投資顧問株式会社

ギリシャのユーロ圏離脱、ありえないリスクからありえるリスクへ 欧州/ユーロ圏 ギリシャ

量的金融緩和の効果でユーロ圏経済に落ち着きが見られる中、ギリシャのユーロ圏離脱がありえるリスクとして認識されてきています。現在進められている追加支援交渉の動向には注視していく必要があるといえます。

ECBの量的金融緩和は一定の効果、ギリシャのユーロ圏離脱リスクは僅かに高まる

2015年3月9日以降、欧州中央銀行(ECB)は月間600億ユ ーロ規模で国債を買い取るなどの量的金融緩和策(QE)を実施していますが、 ECB政策委員会メンバーのリイカネン・フィンランド中銀総裁が「経済見通しに明らかかつポジティブな影響を既に与えている」との認識を示すなど、一定のポジティブな効果をユーロ圏経済に与えているとの見方が広がっています。

一方、ギリシャについては追加支援を巡り、欧州連合(EU)との交渉が続いていますが、ギリシャと支援国には依然として大きな隔たりがあり、支援の先行き不透明感の高まりに加え、ギリシャのユーロ圏離脱についてもリスクとしての認識が高まりつつあります。

どこに注目すべきか:改革計画の内容、ドイツの世論調査、ユーロ圏離脱のリスク

2015年3月27日にギリシャ政府は、追加金融支援を受けるための前提条件といえる経済改革計画をEUに提出しました。しかし、改革計画には資産売却や徴税の強化などを通じて37億ユーロの歳入増を目指すものの、年金削減や公務員の賃金引き下げなどの踏み込んだ内容は含まれておらず、欧州連合(EU)として追加金融支援を実施するには不十分との評価がされています。これを受けドイツ政府は、ギリシャ政府に詳細で実効可能な改革計画の提出を求めており、それまではユーロ圏として追加金融支援を行わないとの考えを示しています。一方で、ギリシャ政府当局者が「救済融資を債権者側が実行しなければ、債務を返済しない」と発言するなどしており、協議の行き詰まりを打開するのは容易ではなさそうです。

このような状況の中で、ギリシャ支援を中心となって行うこととなるドイツでは、ギリシャのユーロ圏残留に反対する姿勢が強まっています。ドイツの公共放送ZDFが2015年3月13日に公表した世論調査の結果によると52%のドイツ人がギリシャのユーロ圏残留を望まないと回答しており、ユーロ圏残留賛成の40%を上回り、2月時点と比べ賛成と反対が逆転する格好となっています。また80%の回答者がEUとの交渉においてギリシャの姿勢は真剣でないとしています。ドイツのメルケル首相はドイツの有権者態度が硬化しても実効可能な改革案が示される限りギリシャを支援する用意があることを示唆していますが、ギリシャに対してドイツが大きく譲歩するのは厳しい状況にあると考えられます。

ギリシャのユーロ圏離脱シナリオとしては、(1)ギリシャ政府が期日通りに国際通貨基金(IMF)への返済、国債保有者への利払い、元本償還に対応できない、(2)ECBがギリシャ中央銀行によるギリシャ市中銀行へのELA(緊急流動性支援)に反対する、の2つが考えられますが、現時点では(1)、(2)ともに発生する確率は低いと見ています。しかしユーロ圏経済がQEの効果もあり安定してきている中、ギリシャのユーロ圏離脱がひょ っとしたらありえるリスクとなった可能性があります。交渉の動向や市場の反応については注視していく必要があると考えます。

図表1:ユーロ圏各国の10年国債利回り推移
(日次、期間:2014年12月31日~2015年3月31日)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。


ページの先頭へ戻る