ブラジルレアルの最近の注目ポイントについて | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジルレアルの最近の注目ポイントについて 中南米 ブラジル

ブラジルレアルは下落傾向が続いていましたが、フィッチのブラジルの格付けに対するアウトルックの引き下げ直後の市場でレアルは小幅な変動にとどまるなど、足元レアルの動向に安定化の兆しも見られます。

フィッチ:ブラジルの格付け見通しを「弱含み」に引き下げたが

格付け会社フィッチ・レーティングス(フィッチ)は2015年4月9日、ブラジルの自国通貨建て並びに外貨建て長期発行体デフォルト格付けのアウトルック(見通し)を従来の安定的から弱含み(ネガティブ)へと引き下げました。フィッチはアウトルック引き下げの理由として、長期にわたる経済の低迷やマクロ経済の不均衡拡大、財政の悪化、政府債務の大幅な増加を挙げています。なお引き下げは見通しのみで、格付けはBBBに据え置いています。

どこに注目すべきか:アウトルック、財政改革、決算報告書

ブラジルレアルは2015年年初から経済の低迷、財政の悪化、格下げ懸念などを背景に下落傾向が続いていました(図表1参照)。しかし、フィッチのブラジルの格付けに対するアウトルックの引き下げにも関わらず9日のレアルは小幅な変動にとどまるなど、次の理由から、足元レアルの動向には安定化の兆しも見られます。

図表1:レアル(対米ドル)レートの推移
(日次、期間:2014年4月9日~2015年4月9日)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

まず、フィッチがアウトルック引き下げの理由に示した項目は確かにブラジルの経済や財政が困難なことを示しています。例えば、ブラジルの経済成長率は2014年を通じて前年比+0.1%とわずかで、2015年は同-1%とマイナス成長をフィッチは予想しています。

また、ブラジルの過去3年の平均成長率1.5%はBBB格の国々の平均成長率3.2%を下回ります。ただし、これらのアウトルック引き下げの理由に目新しい情報は見当たらず、市場ではすでに織り込まれていると思われる内容と思われます。 また、引き下げの理由の中にルセフ政権が支持率低下と議会の消極姿勢を理由に財政改革を進めるのは困難とあります。実際、3月月初にはルセフ大統領が上程した緊縮財政策の大統領令が(連立与党の一員が議長である)ブラジル上院に否決されました。しかし、つい先日ルセフ大統領は連立与党との関係修復に成功し、議会は財政緊縮策に協力をする方向です。また、ルセフ大統領は先日のインタビューで財政改革を推進してきたレヴィ財務相をブラジルでもっとも大切な人と形容するなど、(国民には不人気かもしれない)財政緊縮政策を支持する考えを示しています。

さらに、別の格付け会社であるスタンダード&プアーズ(S&P)は2015年3月23日にブラジルの格付けをBBB-(マイナス)に据え置くと共に、アウトルックを安定的とすることを発表しています。レアル下落の要因のひとつであった格下げについて、少なくとも2社においては目先の懸念は後退した格好です。

最後に格付け関連以外の理由では国営石油会社ペトロブラスが4月20日までに監査済の年間決算報告書を発表する見込みとする報道が注目されています。同社は不正献金問題によって監査法人の認証を受けた決算報告書が発表できていないことが、ブラジル不安の一つの要因となっていました。このまま今月内に発表できなければテクニカルデフォルト(支払能力はあるが契約違反によりデフォルトと認定)に陥る可能性もあるだけに、報道が正しければレアルにとりプラス材料と見られます。ただし、ペドロブラスの決算を巡る報道は過去2転、3転しており、注意が必要です。

ブラジルの景気回復には時間がかかることが見込まれるなど今後も困難な展開が想定されるものの、レアルを下支えする要因にも注意を払う必要があると見ています。

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