休まず上昇していたユーロ圏国債利回りだが | ピクテ投信投資顧問株式会社

休まず上昇していたユーロ圏国債利回りだが 欧州/ユーロ圏 ドイツ

ユーロ圏の代表的国債市場であるドイツの10年国債利回りがマイナス圏に近づいた4月20日頃から足元にかけユーロ圏全体に国債利回りは上昇傾向ですが、背景として景気回復の兆しや割高な債券価格が考えられます。

ユーロ圏国債利回り:ユーロ圏10年国債利回りがマイナス圏を目前に反転して上昇へ

2015年5月6日のユーロ圏国債市場では4月後半から続く長期債利回りの上昇(価格は下落)が継続しました(図表1参照)。6日のユーロ圏国債市場ではギリシャ情勢が悪化したことで、スペインなど周縁国に加え、ドイツの国債利回りも上昇(価格は下落)しました。

図表1:ドイツ10年国債利回りの推移
(日次、期間:2014年5月6日~2015年5月6日)

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:ユーロ圏銀行融資、EC2015年経済見通し

ユーロ圏の代表的な国債市場であるドイツの10年国債利回りが+0.07%台とマイナス圏に近づいた4月20日頃から足元にかけユーロ圏全体で国債利回りは上昇(価格は下落)傾向ですが、その背景として次の要因が考えられます。

1つ目は、ユーロ圏の経済指標に中期的な景気回復を示唆する指標が見られるようになったことです。例えば、資金調達の多くを銀行融資に依存するユーロ圏で、2012年5月以降前年割れが続いていたユーロ圏の民間(家計・企業)向け銀行融資の3月データが4月末に公表され、前年同月比0.1%増とようやくプラスに転じました。また、5月5日には欧州委員会(EC)が2015年春の経済見通しで、2015年のユーロ圏成長率予想を1.5%に上方修正(2月時点では1.3%を予想)するなどユーロ圏の景気の先行きも回復が期待されます。

2つ目は利回り水準への懸念です。国債の適正な利回り水準については議論のあるところですが、名目GDP(国内総生産)成長率と国債利回りの過去の推移を振り返ると、金融危機の頃に大幅な変動は見られますが、過去、ある程度同様の推移を示してきました(図表2参照)。しかし、足元では乖離が大きく、国債利回りが相対的に経済成長率から離れる傾向が見られます。また、10年国債利回りがゼロ近辺に低下したというのは、今後10年間の成長率も同様の水準と投資家が期待していることが示唆されますが、先のECの経済見通しと整合的とはいえない水準と思われ、ギリシャ情勢が悪化してもドイツ国債利回りが上昇したのは、ドイツ国債でさえ安全資産とはいえない利回り水準と多くの投資家が判断した可能性も考えられます。


図表2:ドイツ名目GDP成長率と国債利回り
(年次、期間:1992年~2014年、GDPは前年比)

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

3つ目は、取り引きが少ない中、著名人のコメントの影響です。

空売りを示唆したダブルライン・キャピタル共同創業者のジェフリー・ガンドラック氏やビル・グロース氏、ウォーレン・バフェット氏が同時期に国債相場の上昇に警戒感を示唆したことなども国債売りのきっかけとなった可能性はあります。

「欧州中央銀行(ECB)が債券購入を続けるのだから国債は上昇し続ける」というロジックを前に利回り低下が正当化されてきた感があります。しかし、このロジックが正しいのは、「売り手が少なければ」という前提が必要と思われます。

ただし経済指標の大幅な改善がなければ、本格的な弱気相場入りというよりは当面、スピード調整が続く展開と見ています。

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