ギリシャ問題、山場の6月 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ギリシャ問題、山場の6月 欧州/ユーロ圏 ギリシャ

ギリシャの債務返済問題を巡る交渉は6月末の金融支援延長期限に注目していますが、その6月に入っても交渉の先行きは不透明です。ギリシャの緊縮案受入れがメインシナリオと思われますが、時間が少ないことが気がかりです。

G7財務相会議:各国の主張にばらつき
ギリシャ問題への明言を避ける

ドイツのドレスデンで2015年5月29日まで開催された主要7ヵ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で議長国ドイツのショイブレ財務相は終了後の記者会見で今回のG7を総括し、声明でギリシャ問題について、「短時間しか協議しなかった」と述べるなど、危機を回避する意志を示しませんでした。ギリシャは国際通貨基金(IMF)に6月5日の約3億ユーロをはじめ6月に4回、合計約16億ユーロの返済を迫られています。また、ギリシャ政府は5月31日までの合意を目指すなど節目の時期のG7に解決の糸口を期待する声も一部にありましたが、声明は期待はずれに終わりました。

どこに注目すべきか:ギリシャ預金流出、預金封鎖、金融支援期限

ギリシャの債務返済問題を巡る交渉について「今日のヘッドライン2015年5月12日号」で6月末の金融支援延長期限(手続き等を考えると6月半ば)に注目と述べてきましたが、その6月に入っても交渉の先行きは不透明です。最終的にはギリシャが(ある程度の)緊縮案を受入れ妥協するのがメインシナリオと思われますが、時間が少ないことが気がかりです。

まず、ギリシャ国民の不安は高まっており、ギリシャの銀行から預金流出の動きが止まりません(図表1参照)。6月末の金融支援期限とは欧州連合(EU)などからの支援獲得を目指したものですが、仮に交渉が決裂した場合、ギリシャ政府は国内預金者に負担(預金封鎖)を求める可能性があります。ユーロ圏ではわずか2年前のキプロスで預金封鎖が行われている例もあります。預金封鎖では、預金者の引き出しを制限する一方で、預金保険金額を上回る預金がカットされた模様です。預金者の不安は当面続くものと思われます。


図表1:ギリシャの家計と企業の預金残高の推移
(月次、期間:2010年4月~2015年4月)

 

※預金残高:ギリシャ国内の家計と企業が預けている預金残高合計
出所:ギリシャ中央銀行のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

一方で、ギリシャの株式市場や国債市場は足元落ち着きも見られます(図表2参照)。預金流出データは最新で4月末現在と市場の認識と1ヵ月のずれがあること、金融支援を巡る交渉が合意する可能性も残っていることからある程度のポジションが市場では維持されている模様です。


図表2:ギリシャの株式市場と10年国債利回りの推移
(日次、期間:2014年5月29日~2015年5月29日)

 

※株式市場:アテネ総合指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが5月29日のレポートで、ギリシャが今回デフォルトとなれば2012年とは異なり、ギリシャと債権団の交渉に基づく合意ということではないため、秩序を欠いたものになる可能性が高いことを指摘しています。このような懸念がギリシャ国内で共有されることが交渉の妥協点を模索する上で重要となりますが、問題は残された時間が少なく、急ぐ必要があることと見られます。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。


ページの先頭へ戻る