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ブラジルの次の一手 中南米 ブラジル

ブラジル中銀は今回、市場の予想通りの利上げを実施しました。次回の金融政策委員会の政策運営については市場でも見方が多少分かれている模様ですが、次回は引き上げペースを縮小させる可能性も考えられます。

ブラジル中央銀行:市場予想通り0.5%の利上げ政策金利は13.75%に

ブラジル中央銀行は2015年6月3日までの金融政策委員会(Copom)で、政策金利を市場の予想通り0.5%引上げ13.75%としました(図表1参照)。声明によると決定は全会一致でした。ブラジル中銀は2016年末までにインフレ率を目標レンジへ低下させることを目指しています。なお、政策決定に関する声明は前回から変更が見られませんでした。

図表1:ブラジル政策金利と消費者物価指数の推移
(日次、期間:2012年6月4日~2015年6月4日、CPIは月次、前年比)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:Copom、声明文、インフレレポート、GDP

ブラジル中銀の今回の利上げは市場の予想通りでした。次回のCopom(7月28-29日)以降の政策運営について市場では見方が多少分かれている模様ですが、次回は引き上げペースを縮小させる可能性も考えられます。

まず、次回7月のCopomで利上げ幅を今回同様0.5%にするとの見方もあります。その根拠のひとつに今回の声明文に変更がなかった点が指摘されています。確かに、今年4回のCopomでの声明文は同じ内容で0.5%の利上げが繰り返されています。また、次回会合で利上げ幅縮小を示唆するなら今回の声明文に「現時点では」という文言が含まれるべきという見方もあります。しかし、声明文に「現時点」が含まれていた2014年12月の次のCopomでの利上げ幅が0.5%だったことを見ても、声明文からのメッセージ性は低いと思われます。

では、声明文に当局からのメッセージが限定的とすると何に注目すべきか?次回7月のCopom前に公表予定の6月のインフレレポートが重要であると見ています。特に、当局のインフレシナリオに注目しています。現在の最新号である3月のインフレレポートではブラジルの今後のインフレ率の基本シナリオでは、政策金利12.75%に据え置くことで2015年のインフレ率は8%前後で横ばいに推移し、2016年に向けインフレ目標の上限を下回ると述べています。現在13.75%の政策金利が3月のインフレレポートで想定していた政策金利(12.75%)より高いのは、レアル安などの要因でインフレ圧力が想定以上に大きかったことを示唆していると思われます。

しかしながら、図表1で消費者物価指数(CPI)の推移を見ると、3月のレポートで想定しているインフレ率8%前後での推移に近づいている様子も伺えます。今後公表される6月のインフレレポートの内容を確認する必要はありますが、利上げペースを調整する時期が近づいているとも考えられます。

最後に、ブラジルの景気動向は依然厳しく、利上げへの不満も強くなっています。2015年1-3月期のGDP(国内総生産)成長率は前期比で-0.2%と市場予想(同-0.5%)程は落ち込まなかったものの、軟調に推移しており、産業界から政策金利の引き上げに抵抗が強くなっています(図表2参照)。もっとも、国営石油企業の問題に目処がついたことなどを受け、通貨レアルに落ち着きも見られることから、輸入インフレ圧力が低下すれば、政策の自由度が確保される展開も期待されます。


図表2:ブラジルGDPとレアル(対ドル)の推移
(日次、期間:2010年6月4日~2015年6月4日、GDPは四半期)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

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