ロシアの利下げ、これからは緩やかに | ピクテ投信投資顧問株式会社

ロシアの利下げ、これからは緩やかに 欧州/ユーロ圏 ロシア

ロシア中央銀行は、2015年6月15日に政策金利を11.50%に引き下げました。ロシアについては利下げ継続が予想されていますが、利下げのペースについては、インフレ見通しや経済成長率次第で大きく変化する可能性があります。

ロシア中央銀行、市場予想通り1.00%の利下げを実施

2015年6月15日、ロシア中央銀行は政策決定会合を開催し、主要政策金利である1週間物レポ入札最低金利を1.00%引き下げ、11.50%とすることを発表しました(図表1参照)。会合後の声明では、インフレ圧力の低下と国内経済悪化への懸念が利下げ継続の理由として挙げられています。

図表1:ロシア政策金利と通貨ルーブル(対ドル)の推移
(日次、期間:2013年12月31日~2015年6月16日)

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

利下げは2015年に入り4回目で、利下げ幅は-5.5%になります。なお1.00%の利下げは市場の大方の予想通りの利下げ幅でした。

どこに注目すべきか:インフレ見通し、経済成長率、今後の利下げ

ロシア中央銀行は、今年に入り4回目の利下げを実施していますが、市場では引き続き利下げの継続が予想されており、現時点では、利下げがどのようなペースで実施されるかに注目が集まっています。ロシア中央銀行による利下げのペースに影響を与えるポイントとして、①インフレ見通し、②経済成長率の2点が挙げられます。

①インフレ見通し:ウクライナ情勢を巡る西側諸国からの経済制裁に加え、原油価格下落などを背景としたロシアルーブル安の影響から2014年以降、ロシアのインフレ率は急上昇し、2015年3月には前年同月比で+16.9%まで上昇しました。ただしその後は、原油価格が反発し、通貨ルーブルが安定感を取り戻したことで、同年5月には前年同月比+15.8%まで低下しています(図表2参照)。今後の見通しについてロシア中央銀行は、消費者需要の落ち込みや通貨ルーブルの安定化などを背景にインフレ率の低下が続くと見ており、2015年12月には11%程度、2016年6月には7%以下、2017年には政策目標である+4%に近い水準になるとの見通しを示しています。ただし、公共料金の引き上げなどが一時的にインフレ率の上昇圧力となる可能性を示しており、今後の利下げのペースに影響を与える可能性があります。

図表2:消費者物価指数(CPI)上昇率の推移
(月次、前年同月比、期間:2012年5月~2015年5月)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

②経済成長率:2015年の経済成長率についてロシア中央銀行は、輸入の減少やルーブル安により純輸出(輸出-輸入)は改善するものの、消費と投資の減少が影響し-3.2%と予想しています。2016年については、原油価格の動向により成長率に大きな差が生じると予想されており、原油価格次第で政策に大きな違いが生じる可能性が考えられます。

このようにロシアでは引き続き利下げ継続が予想されていますが、利下げのペースはインフレや経済成長、原油価格などの経済情勢によって大きく変化する可能性があるといえます。

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