ギリシャ、今後のシナリオと注目点は | ピクテ投信投資顧問株式会社

ギリシャ、今後のシナリオと注目点は 欧州/ユーロ圏 ギリシャ

今日のヘッドライン2015年5月12日号」で指摘したようにギリシャと債権団との交渉については、金融支援延長期限の6月末とその前に開催される2つの会合が注目されます。期限を前に、交渉の先行きに不透明感が高まっています。

ギリシャ首相:債権団を批判、交渉の先行きは依然不透明

ギリシャの支援交渉の先行きが不透明となっています。ギリシャのチプラス首相が2015年6月16日アテネで議員に対し語った内容は、交渉相手の国際通貨基金(IMF)や欧州中央銀行(ECB)を非難するものでした。

金融支援(72億ユーロ)の前提となる財政再建への取り組みを巡って欧州連合(EU)、IMF、ECBという債権団とギリシャの溝が埋まらず、交渉の最終期限である6月末までに合意できるか微妙な情勢です(図表1参照)。


図表1:ギリシャの主な返済スケジュールとイベント
(期間:2015年6月~2015年8月)

 

出所:各種報道を基にピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:
年金改革、プライマリーバランス、資本規制

今日のヘッドライン2015年5月12日号」で指摘したようにギリシャと債権団との交渉については、金融支援延長期限の6月末と、その前に開催される2つの会合(図表1参照)が注目されます。期限を目前に控え、交渉の先行きに不透明感が高まっています。

まず、ギリシャと債権団の交渉で争点となっているの主にギリシャの年金改革、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の対GDP(国内総生産)比率目標の達成や税制導入、国防費の削減などとなっている模様です。

次に、今後のシナリオについては、様々なケースが想定されますが3つのケースが基本シナリオと見られます。

1つ目のシナリオは期限前に合意に達するシナリオです。短期的には市場に安心感が生まれるものと思われます。ただし、合意はギリシャ側の妥協、譲歩により達成されることが想定されるため、合意後にギリシャの政局が不安定となるリスクも考えられます。ギリシャ債務の返済は今後も続く(第3時支援)問題だけに、再選挙などで政局が不安定となることで、新たなリスクが生まれる懸念もあります。

2つ目は暫定合意です。ギリシャの現政権は反緊縮を掲げていることから債権団への妥協は難しい状況です。そこで国民の意思を再確認するため、例えば国民投票の実施等を条件に暫定合意、先延ばしというシナリオも考えられます。

3つ目は、ギリシャと債権団との交渉が決裂するシナリオです。この場合、IMFや7月、8月に予定されるECB保有の国債償還は債務不履行(デフォルト)となる可能性が高まります。また、交渉決裂後に、現在ギリシャの銀行の命綱となっている緊急流動性支援(ELA)は停止される可能性が高く、その場合、ギリシャ政府は銀行の破綻を容認するか資本規制を行うかの選択に迫られる可能性があります。仮に資本規制となった場合、預金者は預金引き出しの限度額設定や海外送金の制限などを受けると思われます。資本規制が遅れ、大半の預金が引出された場合、ギリシャ政府や国民が望まないとしても結果的にユーロ離脱へと進む可能性も考えられます。

EUはこの週末にも臨時会合を開催する構えを見せるなど、債権団にも決裂を避ける努力が伺えます。ギリシャ離脱は他の周縁国への影響や地政学的リスクなど、長期的なリスクが懸念されること、また、ギリシャ国民もユーロ離脱までは望んでいないことなどを考えると、何らかの形での合意を期待する見方が多いと思われますが、最後まで注視が必要です。

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