ギリシャ、明かりは見えたが | ピクテ投信投資顧問株式会社

ギリシャ、明かりは見えたが 欧州/ユーロ圏 ギリシャ

ギリシャが一部譲歩を含んだ新提案をEUなど債権団に提出したことで合意の見込みが高まっています。ただし、交渉は終わったわけではなく、合意に至るに残された2つの課題を克服する必要があると見ています。

ギリシャ政府合意に向け新提案:ユーロ圏首脳会合で協議

ギリシャに対する支援期限(6月末)を目前に控え、ギリシャは2015年6月22日、債権者である欧州連合(EU)側の要求に一部譲歩する新たな構造改革案を提出しました。EU側も同提案を前向きに評価、同国のデフォルト(債務不履行)回避に向け交渉の進展が期待されています。ユンカー欧州委員長は今後のスケジュールとして、6月24日のユーロ圏財務相会合で大筋合意し、25~26日に予定されているEU首脳会議で最終的な承認を目指す考えを示しました。

どこに注目すべきか:プライマリーバランス、年金改革、付加価値税

今日のヘッドライン2015年6月17日号」でギリシャと債権団の合意の可能性に言及しましたが、ギリシャが一部譲歩を含んだ新提案をEUなど債権団に提出したことで合意の見込みが高まりました。ただし、ギリシャ政府が当面の問題をクリアするには次の2つの課題を克服する必要があると見ています。

1つ目の課題はギリシャの提案で債権団と本当に合意できるかという点です。交渉の争点と思われる点を図表1にまとめました。(※なお、ギリシャの提案などは非公表であるため、以下の内容は報道等がベースとなっています)。

まず、すんなり合意しそうなのは財政目標です(図表1参照)。ギリシャは債権団が期待するプライマリーバランス(基礎的財政収支)の対GDP(国内総生産)比率の目標を、2015年から1%、2%…と上方修正したとの報道もあるからです。


図表1:ギリシャ(22日前)と債権団の主な争点

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

一方で課題を残しているのは年金改革と税制改革です。年金改革は債権者側は給付額(年金の支払)の削減を主張しています。これに対しギリシャ政府は給付額の削減に消極的で、今回の提案では(年金支払の原資となる)社会保障の増加での対応を目論んでいる模様です。

次に税制改革も課題となることが見込まれています。例えば、債権者側は付加価値税の税収で2016年にGDP比1%を要求、ギリシャ側はGDP比0.74%を提案した模様です。また債権団は具体策としてケータリング(料理の仕出)の税率を現行の13%から23%に引き上げることで目標が達成できると主張していますが、ギリシャとの隔たりは大きい様子です。

労働市場については、定年の段階的な引上げなどはギリシャ側の提案に盛り込まれましたが、債権団が求めていた賃金の引下げは法制化の用意があるにとどまり、労働者保護法の緩和等も回避されたと見られます。

限られた時間でこれらの争点が合意できるかに注目です。

2つ目の課題は合意案の議会承認です。1つ目の課題で述べてきた争点が債権団と合意されても、ギリシャ政府は議会での承認が必要です。チプラス首相率いる与党は急進左派連合と独立ギリシャの連立政権で過半数(総議席数300)を確保している状況ですが、与党内には債権団との妥協に難色を示すグループもあり全員が賛成に回る保証は難しい状況です。その場合、野党と新たな連立を模索する運びとなりますが、6月末の期限前に可決を目指すスケジュールは相当タイトです。

ギリシャ、債権団共に合意を目指す方向で一致しており、後戻りは考えにくい状況ですが、一方で、すんなりと交渉が進む保証もなく、事態の推移に最後まで注視が必要と見ています。

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