インフレ抑制が急務のブラジル中銀 | ピクテ投信投資顧問株式会社

インフレ抑制が急務のブラジル中銀 中南米 ブラジル

ブラジル中銀は、2015年6月24日にインフレレポートを公表しましたが、インフレ見通しが引き上げられており、引き続きインフレに対して警戒的なスタンスで政策を実施する可能性が高いと考えられます。

ブラジル中央銀行:インフレレポートを公表

ブラジル中央銀行は2015年6月24日に四半期毎のインフレレポートを公表しました。インフレ見通しについて、ブラジル中銀は、想定為替レートが1ドル=3.1レアルで、政策金利が現在の13.75%で据え置かれた場合、2015年5月時点で前年同月比+8.47%に達しているブラジルのインフレ率は、今後も上昇し、2015年末に同+9%と予想しています(図表1参照)。ただしそれ以降については、2016年末には同+4.8%、2017年の第2四半期にはブラジル中銀の目標とする同+4.5%まで低下するとの見通しを示しています。また同時に、GDP(国内総生産)成長率見通しについても公表されましたが、2015年の成長率は前回(2015年3月のインフレレポート)から-0.6%低い-1.1%減に下方修正されています。

図表1:ブラジル消費者物価指数の推移
(月次、前年比、期間:2010年5月~2015年5月(実績)、
2015年末、2016年末、2017年4-6月期(予想))

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:追加利上げ、構造改革、通貨レアルの動向

今回のインフレレポートの発表を受け、今後のブラジルの金融政策の動向に注目が集まっています。ブラジル中銀は、次回7月29日に開催される金融政策委員会(Copom)で、利上を実施する可能性は高く、市場でも利上げが予想されています。注目は利上げ幅ですが、一部では政策金利の水準は既に高い水準にあり、2014年10月以降、計+2.75%の利上げを実施していることから、これまでよりもペースを鈍化させ+0.25%の利上げにとどめるとの見方もありました。しかし、インフレ見通しが引き上げられ、インフレに対してより警戒的なスタンスとなったことに加え、ブラジル中銀のトンビニ総裁が2016年12月までインフレ率を目標である+4.5%に近づけると表明していることもあり、次回のCopomで政策金利を+0.50%引き上げ14.25%とする可能性が高まったといえます。一方で、次回の利上げ実施以降については、政策金利は維持され、追加利上げが継続する可能性は低いと見ています。その背景のひとつとして、インフレレポートでも経済成長見通しが引き下げられており、景気に配慮した政策運営が必要なことが挙げられます。また、インフレ率は高い水準にありますが、その内容をみると食料品価格の上昇が大きく、構造的なインフレというよりも一時的なインフレである可能性があり、今後、ブラジル中銀には、インフレの中身を精査しての政策運営が求められると見られるからです。

図表2:ブラジルレアル(対ドル)の推移
(日次、期間:2014年6月24日~2015年6月24日)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

インフレ見通しが引き上げられた一方、経済成長率は引き下げられており、ブラジル経済は厳しい状況にありますが、インフレ抑制は、レヴィ財務相のもとで進められている構造改革とともに、格付け維持のために重要な課題となっています。足元、通貨レアルは一時期に比べ落ち着きを取り戻しており(図表2参照)、現在進められているブラジルの政策当局によるインフレ抑制と構造改革が、市場で評価されていることを示していると見られます。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。


関連レポート

一覧へ

ページの先頭へ戻る