ギリシャの突然の国民投票で事態は緊迫化 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ギリシャの突然の国民投票で事態は緊迫化 欧州/ユーロ圏 ギリシャ

ギリシャ支援交渉の決裂で、6月30日期限のIMF向け返済は滞る可能性が高くなり、また7月、8月の国債償還も、支援再開がない場合、デフォルト懸念が高まっています。今後の事態を占う上で、国民投票の行方が注目されます。

特集:ギリシャ危機レポート

ギリシャ:債権団との交渉決裂、国内銀行の休業と資本規制導入を発表

ギリシャ支援延長を巡り2015年6月27日に開催されたギリシャとユーロ圏財務相会合(ユーログループ)の会合は決裂しました。ギリシャのチプラス首相は27日、支援の条件について是非を問う国民投票を7月5日に実施すると表明すると共に、6月30日期限の金融支援を国民投票後まで延長するよう要請したことに対し、ユーログループはギリシャの要請を拒否、期間の延長に応じないことを決定しました。この動きを受け、欧州中央銀行(ECB)は、ギリシャの銀行の資金繰りを支えてきた緊急流動性支援(ELA)の上限を据え置きました。これに対しギリシャ政府は、資本規制と銀行休業に関する法令を発表しました。

どこに注目すべきか:ギリシャ、国民投票、銀行休業、資本統制

ギリシャ支援の交渉決裂により、6月30日期限のIMF向け返済は債務不履行(デフォルト)となる可能性が高くなりました(※)。また7月、8月には国債償還も控えており、支援再開がなければデフォルトする懸念が高まっています。今後の事態を占う上で、国民投票の行方に注目しています。

国民投票の内容は未公表ですが、単純化すれば債権団が提案する緊縮財政案を受入れる(=イエス)か受入れない(=ノー)かの選択になる見込みです(図表1、②③参照)。そこで図表1で現状を確認すると、6月29日は①の段階にあたります。ギリシャの突然の国民投票を受け、債権団との交渉が決裂し、緊急流動性支援の上限が据置かれたことで、ギリシャは29日からの銀行休業を公表しています。


図表1:ギリシャ債務危機の主なシナリオ

出所:各種報道等を基にピクテ投信投資顧問作成

次に、今後の鍵となるのは7月5日のギリシャ国民投票と見られます。市場が期待(希望)するのは緊縮案受入れです(図表1、②)。このシナリオであれば交渉再開による支援延長や融資が見込まれるからです。ただし、現政権は国民投票でノーを国民に訴えるなど債権団の緊縮案に否定的であるため、解散総選挙による新政権樹立などが必要と見られ、政局が不透明要因となるケースも考えられます。

反対にノー(図表1、③)の場合、ギリシャ国民が緊縮案の受け入れを拒否したこととなり、交渉再開の可能性はほぼ消滅、7月、8月の国債償還は難しくなり、デフォルト懸念が高まると共に、その後の展開によってはギリシャの国内銀行の再編、さらにはユーロ圏離脱も考えられるシナリオとなります。

市場への影響は②の場合はプラス(例えばユーロ高)が想定されますが、新政権の樹立など不透明要因もあります。

一方、③の場合は市場への悪影響が想定されます。ただし、ギリシャ向け債権の多くは公的部門(ECB、EU、IMF)に移っていること、ECBは国債購入プログラム(OMT)などでの対応が期待されること、ユーロ圏の経済のファンダメンタルズが健全なことなどから、ある程度、影響が抑えられる可能性は考えられます。しかしながら、事態は極めて流動的であり、当面、市場の動きを慎重に注視する必要があります。

※スタンダード&プアーズは先日、ギリシャ政府がIMFなど公的債権者への返済不能となっても格付けを選択的デフォルトに引き下げない考えを示唆

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