ロシア中銀が出した答え | ピクテ投信投資顧問株式会社

ロシア中銀が出した答え ロシア 欧州/ユーロ圏

ロシア中銀はインフレ率の先行きを基本的に低下すると見込む一方、景気は軟調と見ているため利下げを優先させる模様ですが、足元ルーブル安も進行しており、景気と物価のバランスに配慮した金融政策運営が想定されます。

ロシア中銀:政策金利を0.5%引き下げ11%へ景気とインフレに配慮し小幅利下げ

ロシア中央銀行は2015年7月31日、今年5回目となる利下げ(実施は8月3日から)を決定しました(図表1参照)。ロシア中銀は政策金利である1週間物入札レポ金利を0.5%引き下げ11%としました。市場では過半が0.5%の引き下げを予想していましたが、一部は据え置きや異なる利下げ幅を予想するなど、見方が分かれました。0.5%の利下げを受け、ルーブルは対ドルで下落傾向となりました。

ロシア中銀は声明で利下げについてインフレリスクが若干上昇しているものの、大幅な景気の落ち込みのリスクへと焦点が移りつつあることを反映したためと説明しています。


図表1:ロシア政策金利とルーブル(対ドル)の推移
(日次、期間:2013年9月13日~2015年8月3日)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:ロシアインフレ見通し、GDP、ルーブル動向

ロシア中銀の声明をもとにロシア経済の現状を見ると、インフレ懸念よりも、利下げによる景気への対応を優先させる意図が伺われます。ロシア中銀はインフレ率の先行きを基本的には低下すると見込んでいる一方、景気は軟調と見ているためです。しかしながら、ルーブルは足元再び下落傾向で、当面は景気と物価(ルーブル安)のバランスに配慮した金融政策運営が想定されます。

ロシア経済の今後を占う上で注目点は次の通りです。

1点目はロシア中銀のインフレ見通しです。ロシアの消費者物価指数(CPI)上昇率は2014年後半の急激な通貨安などを背景に2015年6月には前年同月比15.3%と、インフレ目標の4倍近い高水準となっています(図表2参照)。しかしロシア中銀は、弱い国内需要や、既にインフレ水準が高水準であることを受け2016年前半にはCPIは低下に転じ、2017年には目標の4%台まで低下し続けるとの予想を声明で示しています。

2点目はロシア中銀が景気に対する見通しを慎重としたことです。足元のGDP(国内総生産)成長率も軟調となっています(図表2参照)。金利上昇による投資や消費マインド冷え込みなど国内需要が低迷とロシア中銀は指摘しています。2015年1-3月期のGDP成長率はマイナス2.2%で、市場では4-6月期もマイナス成長を予想しています。ただし、輸出はGDPにプラス寄与しているとロシア中銀は声明で述べています。

3点目は、ルーブルの動向です。ロシア中銀が過去7ヵ月の緩和局面の中で今回0.5%と最も小幅な利下げにとどめた理由は、恐らく通貨ルーブルの下落によるインフレ率の上昇懸念です。ルーブルはロシア中銀が外貨準備拡大のための外貨購入を開始した頃から下落傾向です。ロシアルーブルは原油価格と関連が深く、足元、原油価格が再び下落傾向となったことがルーブル安の背景と思われ、ロシア中銀は7月末に外貨購入停止の発表に追い込まれています。

ロシア中銀はインフレの大幅な悪化がない限り、利下げの姿勢を維持するものと見ています。ロシア中銀はルーブルの動向に配慮を示すとは思われますが、軟調な原油価格が続いている中では、ルーブルの上値も重い展開が想定されます。


図表2:ロシアの消費者物価指数(CPI)とGDPの推移
(月次、期間:2010年9月~2015年6月、GDPは四半期)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

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