リセッション入りしたロシア、景気回復のためには | ピクテ投信投資顧問株式会社

リセッション入りしたロシア、景気回復のためには ロシア 欧州/ユーロ圏

ロシアの経済成長率は2四半期連続のマイナスとなり、リセッション入りが確認されました。回復のためには金融政策による対応やウクライナ問題解決に向けた取り組みが重要と考えます。

ロシア、2期連続のマイナス成長でリセッション入り

2015年8月10日にロシア国家統計局が発表した2015年4-6月期の実質GDP(国内総生産)の成長率(暫定値)は前年同期比-4.6%減となりました(図表1参照)。2015年1-3月期は同-2.2%減だったことから2四半期連続のマイナス成長となり、ロシア経済はリーマンショック時以来のリセッション入りとなりました。

図表1:ロシアGDP成長率と原油価格の推移
(≪GDP≫四半期、期間:1996年4-6月期~2015年4-6月期、
≪原油価格≫日次、期間:1996年6月28日~2015年8月13日)

※原油価格:WTI先物 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

ロシアは世界最大のエネルギー輸出国であることから、同国経済は2014年来の原油価格の下落の影響を大きく受けています。また、ウクライナ問題を巡る欧米諸国からの経済制裁で通貨ロシアルーブルが下落し、国内の消費や設備投資の抑制要因となったことも同国の成長を阻害する要因となっています。

どこに注目すべきか:危機の懸念、景気回復のためには

2四半期連続のマイナス成長となり、リセッション入りしたロシア経済ですが、今後、ロシア経済を見ていく上で、危機に対する懸念と景気回復に向けた動きが注目されます。

危機に対する懸念については、現時点では、ロシアが金融システム不安に陥る可能性は低いと考えられます。ロシアの外貨準備は2015年6月26日発表時点で3,133億ドルにのぼり、2014年よりも減少していますが、依然として高い水準にあります。なお、短期の対外債務は2015年3月末時点で493億ドルとなっており、ロシアは債務を返済するのに十分な外貨準備を保有しています。

次にロシアの景気回復に向けた動きについては、金融政策と原油価格の動向が大きな影響を与える要因と考えます。金融政策については、ロシア中央銀行は景気重視にシフトしているものと考えます。ロシア中銀は2015年7月31日、市場の予想通り政策金利を0.5%引き下げ、11.00%としましたが、その声名文は景気低迷への配慮を強く示す内容でした。インフレリスクは前回会合の時よりも「僅かに(Slight)」高まったとしていますが、需要が減少していることから、インフレ率は継続的に低下するとの見通しが示されています。一方、今後の金融政策については、データ次第との姿勢が示されており、利下げ打ち止めとなる可能性はあるものの、ロシア経済支援の要請は強いと見られることから、インフレ率の大幅な上昇がない限りは利下げ姿勢が維持されるものと考えます。

次に原油価格の動向についてですが、過去のロシアのリセッションからの脱出には、原油価格の上昇がロシア経済の成長につながった経緯があり(図表1参照)、今回も原油価格の回復が期待されます。ただし足元、世界的な供給過剰と需要の先行き不安から原油価格は低調な推移となっており、原油価格の先行きには不透明感があることから、景気回復への寄与を期待することは、現時点では厳しいといえます。

さらに、景気回復に向けては、ウクライナ問題について西側諸国と政治的な解決をはかり、早期に制裁の解除を画策する必要もあると考えます。

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