南ア中銀、金融政策の判断にバランスが求められる | ピクテ投信投資顧問株式会社

南ア中銀、金融政策の判断にバランスが求められる アフリカ

軟調な展開が続く南アランドに対し、南ア中銀は直接介入を避ける方針を維持してきました。南アの景気回復が鈍い中、ランド安等によるインフレ懸念にも配慮した金融引き締めによる対応は効果が表れにくいとも見られます。

南アフリカ準備銀行:通貨ランドへの介入は避ける方針だが

南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)は2015年8月24日、中国の景気減速懸念や米国の利上げ時期を巡る不透明感を背景とした世界の金融市場等の変動の高まりを受け、「最近の為替市場の動向について」と題する声明文を公表しました。声明文で、南ア中銀は通貨ランドを特定の為替水準や範囲に誘導する介入は行わない方針を維持することを確認しています。しかしながら、声明文では南ア中銀が為替市場の動向に全く無関心というわけでないことを強調し、金融の安定に影響を与える懸念がある場合には南ア中銀は為替市場へ関与することを示唆しています。

なお、ランドは8月24日(現地午前)、個人の証拠金取引のロスカットと見られる取引が集中したことで一時、約1割下落しました(ランド安)。声明文は急落後に発表されており、南ア中銀が為替市場の急激な動きに対しては介入も辞さない構えを示した格好です。

 

図表1:南アランド(対ドル)レートと政策金利の推移
(日次、期間:2012年8月26日~2015年8月26日)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:声明文、4-6月期GDP、電力不足

軟調な展開が続く南アランドに対し(図表1参照)、南ア中銀は直接介入を避ける方針を維持してきました。南アの景気回復が鈍いことを念頭に置きつつ、ランド安等を受けたインフレ懸念にも配慮した金融引き締めでは、どちらの効果も表れにくい展開となっています。

中国の動向に注目が集まっていますが、中国と取引の多い国の動きにも注意が必要と思われます。例えば、南アフリカですが、主要な輸出相手国は中国です(図表2参照)。中国の人民元は基準値算出の変更など変動性が高まる傾向にある中、ランドにも影響が及ぶ可能性が考えられます。南ア中銀は上記の声明文公表も、(短期の)急激な為替市場の変動への警戒感を示したものと見られます。

図表2:南アフリカの主な輸出相手国 (時点:2012年)

 

出所:世界国際図会のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

そこで注目すべきは南ア経済の実態と見ています。同国統計局の8月24日の発表によると、4-6月期GDP(国内総生産)は前期比年率マイナス1.3%となり、1-3月期の同プラス1.3%からマイナス成長へと転じています。4-6月期マイナスの背景は対外要因よりも電力不足という国内要因の影響が大きいと見られます。中国景気減速など対外要因は今後の影響が懸念されます。景気の先行き不透明感から、金融引き締めスタンスを維持する姿勢に変化が起きる可能性も考えられます。

ただし、南ア中銀のインフレへの懸念は高いこと、(多少後ずれの可能性があるものの)米国の利上げ開始が想定されることから、利下げには引き続き慎重な判断が求められると思われます。景気鈍化懸念が高まったことで、インフレ率上昇への影響が小幅となるような緩やかなランド安であるならばある程度許容しつつ、慎重に引き締めペースを変更する展開も考えられます。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

ページの先頭へ戻る