ブラジル中銀、利上げを一服、注目の今後の動向 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジル中銀、利上げを一服、注目の今後の動向 中南米 ブラジル

ブラジル中銀は2014年10月以来、政策金利を7回連続して引き上げてきましたが、景気後退懸念が強まる中、今回は据え置きました。声明文が示唆するように、今後は政策金利を現状水準で据え置く可能性もあると見られます。

ブラジル中銀:連続利上げは一服
政策金利を市場予想通り14.25%に据え置き

ブラジル中央銀行の金融政策委員会(COPOM)は2015年9月2日、政策金利を14.25%で据え置くことを全会一致で決定しました。ブラジル中銀はこれまで引き締め姿勢を維持していましたが、利上げ一服となった格好です(図表1参照)。市場も大半が据え置きを予想していました。ブラジル中銀は声明文ではインフレ率(図表1参照)を2016年末までに目標(4.5%)に収束させるため、政策金利を十分長期にわたり、現状の水準に維持することが必要との考えを、前回(7月)の声明文と同様に繰り返し述べています。

 

図表1:ブラジル政策金利とCPIの推移
(日次、期間:2012年9月3日~2015年9月2日、CPIは月次)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:四半期インフレ報告、景気後退、財政改革

ブラジル中銀は2014年10月に政策金利を引き上げて以来、物価や通貨安への懸念を背景に7回連続で利上げをしてきましたが、景気後退懸念が強まる中(図表2参照)、声明文が示唆するように、今後は政策金利を現状水準で据え置く可能性もあると見られます。

ブラジルの金融政策を占う上で次の点に注目しています。

図表2:ブラジル鉱工業生産指数とGDP成長率の推移
(月次、期間:2010年9月~2015年7月、GDPは四半期)

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

まず、政策金利を14%台にまで引き上げているものの、消費者物価指数(CPI)は前年同月比で9.6%とインフレ目標上限を上回っています。また期待インフレ率にも低下が見られない状況です。この背景は通貨レアルの下落による輸入物価の影響と財政改革の遅れが考えられます。

レアルの水準を判断するために、6月の四半期インフレ報告でブラジル中銀が(当時の)シミュレーションで想定していたレアルのレートを見ると、対ドルで3.1レアルとなっており、足元の1ドル=3.7レアル前後に比べ2割近く下落しています。

次に第2期ルセフ政権のレビ財務相のもと積極的な財政改革が想定されていたため財政縮小が想定されていましたが、足元財政改革に対し議会からの風当たりが強く、財政縮小懸念が緩和し期待インフレを高めた可能性が考えられます。

しかも財政改革の遅れは格下げ懸念を伴う恐れがあります。

例えば、9月2日にムーディーズ・インベスターズ・サービスは8月のブラジル格下げの理由は(中国ショックでなく)財政改革の遅れであったと指摘、フィッチ・レーティングスも同様の懸念を示しています。

最後にブラジル景気は悪化傾向が続いており、例えば7月の鉱工業生産指数は前年同月比-8.9%と市場予想を下回り、7-9月期も景気悪化が懸念されます(図表2参照)。景気だけで判断するならば本来は政策金利引下げが必要な状況です。

したがって、今後の金融政策を占う上で注目は次の2点です。まず、9月後半に公表予定の四半期インフレ報告で、ブラジル中銀のメインシナリオが政策金利を現状水準で据え置くことでインフレ目標への収束が可能と見ているかに注目です。

2つ目は、財政改革を巡る議会とルセフ政権(レビ財務相)の対立で、(対立の)解消が長引けばレアル安、格下げ懸念の悪化も想定されるだけに注視が必要と見ています。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。


関連レポート

一覧へ

ページの先頭へ戻る