中国経済指標の整理整頓と今後の注目点 | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国経済指標の整理整頓と今後の注目点 アジア 中国

中国の経済実態を反映する鉱工業生産指数や生産者物価指数は成長の勢いが弱いことを示唆しているものと見られます。一方、金融緩和を背景にマネーサプライに底堅い動きも見られ、次は財政政策の動向に注目しています。

中国、8月の経済全体のファイナンス規模:相場が変動した時期に一定の伸び

中国人民銀行(中央銀行、人民銀)によると、8月の経済全体のファイナンス規模は1兆800億元(約20兆4,300億円)と、前月の7,188億元、市場予想(約1兆元)を上回りました。

一方、8月の人民元建て新規融資は8,096億元と前月の1兆4,800億元から大幅に減少しましたが、株価対策に関連した融資という特殊事情が背景と見られ、市場も大幅な低下(市場予想平均約8,500億元)を見込んでいました。

8月のマネーサプライ(通貨供給量)統計では、M2が前年同月比13.3%増加と、市場予想、前月と一致しました。また、景気との連動が高いと言われるM1は9.3%と市場予想(6.8%)、前月(6.6%)を上回りました(図表1参照)。

図表1:中国M1、M2とGDP(国内総生産)の推移
(月次、期間:2008年6月~2015年8月、GDPは四半期)

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:マネーサプライ、預金準備率、5中総会

中国では毎月10日前後に経済指標が集中的に公表されます。経済実態を反映する鉱工業生産指数や生産者物価指数(PPI)は成長の勢いが弱いことを示唆しているものと見られます(図表2参照)。ただし、M1に底堅い動きも見られました。

図表2:鉱工業生産指数とPPIの推移
(月次、期間:2008年6月~2015年8月))

 

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

まず、9月月初から現在までに公表された中国の経済指標を簡単に振り返ると、輸出入ともマイナスとなった貿易統計、鉱工業生産など景気の勢いの低下が示唆されていると見られます。1-8月の都市部固定資産投資は前年同期比10.9%増と市場予想を下回る伸びとなるなど、投資の回復に勢いは見られない状況です。

次にマネー関連の指標を見ると、人民元建て新規融資や経済全体のファイナンス規模が恐らく株価対策等の影響で個々の指標の動きには変動が見られましたが、総じて見ると市場の予想通りの動きとも見られます。

むしろ注目したいのはマネーサプライで、例えばM2は8月に事実上の人民元の切り下げなどを受け資本流出が懸念されたものの、前月同様の伸びを確保しています。また、M1は底打ちの兆候も見られます(図表1参照)。この背景には人民銀の金融緩和(預金準備率引下げや流動性供給)の効果が考えられます。特に、預金準備率の引下げは今後の緩和政策の手段として注目しています。

中国の預金準備率(18%)が高水準なのは人民元の上昇抑制に行った為替介入(人民銀による人民元売り、ドル買い)に伴い放出されたマネーの調整を(債券市場が未発達なことから)公開市場操作よりも預金準備率操作に頼る比重が高かったという経緯が一因と思われます。中国の今後の為替政策は不確かですが、仮に為替介入圧力が低下するならば、預金準備率に引下げ余地が生まれる可能性も期待されます。

一方の財政政策は、今までのところ動きは鈍いと見られます。ただし、9月8日に日本の財務省に相当する財政部より財政政策の指針(具体策は乏しい)が示されるなど変化の兆しも伺えます。10月には第18期中央委員会第5回総会(5中総会)で5ヵ年計画も策定予定であり、今後の動向に注目しています。

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