中国、9月の資金調達は市場予想を上回ったが | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国、9月の資金調達は市場予想を上回ったが アジア 中国

9月のマネー統計から、中国の金融環境には一部改善が示唆されたと見られます。ただし、中国景気の本格的な回復には程遠い状況で、今後の焦点は(資金調達など)供給側ではなく、需要側の改善がより重要になると思われます。

中国9月の与信(人民元建新規融資、経済全体の調達規模):伸び回復、刺激策が奏功

中国人民銀行(中央銀行、人民銀)が2015年10月15日に発表した9月の経済全体の調達(ファイナンス)規模は1.3兆元(約24.2兆円)と、8月の1.08兆元、市場予想の1.2兆元を上回りました。当局によるインフラ支出増加と2014年11月以降5回の利下げが融資需要を高めるのに寄与していることが示唆された格好です(図表1参照)。また、9月の人民元建て新規融資は1.05兆元と市場予想(9,000億元)を上回りました。

どこに注目すべきか:人民元建新規融資、投資プロジェクト、新常態

9月のマネー統計から、中国の金融環境には一部改善が示唆されたと見られます。ただし、中国景気の本格的な回復には程遠い状況で、今後の焦点は(資金調達など)供給側ではなく、需要側の改善がより重要になると思われます。中国当局が8月に事実上の人民元切り下げを実施したときに台頭した景気への懸念に対し、やや落ち着きも見られます。

まず、利下げや預金準備率の引下げなど金融緩和政策が、人民元建新規融資額が予想額を上回るなど、資金調達サイドの回復を下支えした可能性が考えられます。

ただし、今後の利下げの余地は小さい可能性もあり注意が必要です。(幅広く安く資金を供給する)利下げにより一部でバブルの発生が懸念されています。例えば、深センの住宅価格は(供給不足という)深セン独自の理由が背景ではあるものの、年初来で30%以上上昇しています。金融政策は今後、預金準備率引下げへシフトするものと思われます。

次に、需要サイドの政策として財政政策を見ると、中国国家発展改革委員会(NDRC)は10月15日に2015年1-9月期の投資プロジェクト218件、総額約1.8兆元を承認したと発表しています。一方でNDRC過剰投資の温床ともなった地方政府の動きを管理するために、地方政府の資金調達事業体による債券発行の承認を厳格化するなど抑制に努めています。

このように出遅れ気味の財政政策ですが、月末の第18期中央委員会第5回総会(5中全会)で中期目標(第13次5ヵ年計画(2016〜20年)の基本方針が討議される予定で、その後、財政政策のスピード感に変化が起きるかに注目しています。

最後に、中国景気の悲観論は主に製造業の動向を見たもので、サービス業は財新購買担当者景気指数(PMI)で見ると水準は50を確保しています(図表2参照)。ただしサービス業PMIも足元勢いは鈍化している点に注意は必要ですが、中国が投資や輸出から消費主体へと経済の中心をシフトする構造的な変化(新常態、ニューノーマル)も2つのPMIの動きの違いの原因と思われます。であるならば中国経済に対し依然警戒は必要なものの、過度な悲観には注意も必要と見ています。

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