人民元建国債の発行も計画される英国と中国、関係を強化 | ピクテ投信投資顧問株式会社

人民元建国債の発行も計画される英国と中国、関係を強化 アジア 中国 英国 欧州/ユーロ圏

人民元の国際化を進めたい中国と、将来の成長の柱として中国などアジアとの関係を築きたい英国の思惑が重なり英国と中国の結びつきが深まる動きが見られますが、経済で先行する関係には英国国内で批判の声も聞かれます。

中国人民銀:ロンドンで50億元の1年債発行人民元建国債の発行も計画

中国人民銀行(人民銀)は2015年10月20日に50億元(約940億円)の人民元建1年債を発行、その半分近くは欧州や米国の投資家が購入した模様です。1年債への人気は高く、応募総額は300億元余りとなっています。中国は計画として、中国本土と香港以外では初となる人民元建国債の発行をロンドンで実施することが報道されています。

習近平国家主席が英国を訪問している時期での1年債の発行は、ロンドンが人民元取引の欧州拠点としての地位を固めるのを後押しした印象です。

どこに注目すべきか:オフショア人民元建国債、決済通貨、SDR

人民元の国際化を進めたい中国と、将来の成長の柱として中国などアジアとの関係を築きたい英国の思惑が重なり英国と中国の結びつきが深まる動きが見られますが、経済のみが先行する関係には英国国内では批判の声も聞かれる面もあり、今後の展開に注目しています。

ロンドンで発行された1年債は応札倍率が約6倍となるなど市場で順調に消化されました。入札を受け既存の1年債の価格も上昇(利回りは低下)しました(図表1参照)。

英国(ロンドン)は、将来的に拡大が期待される人民元取引の欧州拠点争いでライバルであるパリやフランクフルトに対し一歩先んじた印象です。

金融取引だけでなく、投資などでも英国の中国に対する急接近が見られます。例えば、英国キャメロン首相の後継者とも言われるオズボーン財務相は、2015年9月に中国ウイグル自治区などを訪問したうえ、報道では英国が計画する高速鉄道建設への参加を中国企業に呼び掛け、また、イングランド北部の開発プロジェクトへの出資も中国に求めた模様です。国際金融センターであるロンドンと中国との相互の発展の道を模索しているように見られます。

中国には人民元の国際化という目標があります。国際銀行間通信協会(SWIFT)によると、中国人民元は決済通貨としての地位を上げており、2014年1月は7位であったのが、2015年8月には日本円を抜き、4番目の決済通貨となっています(図表2参照)。国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨への人民元採用を優先する中国当局にとって、英国との関係強化はメリットも多いと思われます。

ただし、英国が中国の人権問題等を置き去りにして経済関係の強化することには危うさもあり、英国国内はもとより、米国からも批判の声が聞かれます。英国と中国の関係は長期的には正しい選択かもしれませんが、経済以外の様々な問題への対応にも注意を払う必要があると思われます。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

ページの先頭へ戻る