中国人民銀、金融緩和で懸命の景気下支え姿勢 | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国人民銀、金融緩和で懸命の景気下支え姿勢 アジア 中国

中国の利下げが5中全会開始直前というタイミングで実施されたことはやや想定外でした。利下げの背景はデフレ懸念など主に中国国内要因と思われますが、欧米の金融当局の中国景気減速懸念に対応した格好ともなっています。

中国人民銀:政策金利と預金準備率の引き下げで景気下支えの姿勢を示す

中国人民銀行(人民銀)は2015年10月23日、政策金利と預金準備率の引き下げを発表し、主要政策金利である1年物貸出基準金利は4.60%から0.25%引き下げ4.35%へ、1年物預金基準金利も1.75%から0.25%引き下げ1.5%に設定しました。いずれも24日実施となっています。また、銀行に義務付ける預金準備率は0.50%引き下げ、(主要銀行向け)は17.5%としました(図表1参照)。さらに、人民銀は預金金利の上限撤廃も発表、金利自由化を演出しました。利下げは2014年11月以降、これで6回目となります。

どこに注目すべきか:5中全会、GDPデフレーター、預金金利自由化

中国の利下げは市場でも幅広く予想されていたものの、共産党中央委員会第5回全体会議(5中全会)開始直前のタイミングはやや想定外の動きと見られます。利下げの背景は、デフレ懸念など主に中国国内要因と思われますが、欧米の金融当局の中国景気減速懸念に対応した格好ともなっています。

今回の中国の利下げの注目ポイントは以下の通りです。

まず、タイミングは絶妙であったと見られます。利下げと預金準備率引き下げを同時に、中国の5年先までの経済政策を検討する5中全会直前に実施したことで、軟調な動きを見せる景気動向に対し、てこ入れ姿勢を示唆した格好だからです。

次に、利下げの背景を振り返ると、インフレ率の低下や景気減速懸念があげられます。インフレ率は、消費者物価指数(CPI) の低下(図表2参照)やマイナスとなった1~9月期のGDP(国内総生産)デフレーターが示唆するように、中国もデフレを懸念しなくてはならない状況です。また、景気については米国の9月の米連邦公開市場委員会(FOMC) 議事録や欧州中央銀行(ECB)の政策理事会後の記者会見でも中国は名指しで新興国の景気減速の原因であると指摘されており、対外的にも何らかの対応が必要であったと思われます。

追加金融緩和に加え、人民銀は預金金利の上限を撤廃、金利の自由化を示しましたが、自由化は完成途上の印象です。銀行の調達コストに相当する預金金利を自由化すれば預金獲得のため金利引き上げ競争の懸念もあります。対策としては窓口指導で預金金利の上昇を抑えるといった形を変えた規制金利とするか、もしくは今回の預金金利自由化で強制力が低下した従来の預金基準金利から市場メカニズムを反映した新たな預金基準金利を再導入するなどが考えられます。金融の安定化を維持するには単に自由化ではなく何かしらの対応が必要と思われますが、導入の過程は金融自由化の進展を推し量る、一つの目安ともなりそうです。

最後に、今後想定される政策について金融政策については中国の経済成長率は緩やかな低下を見込んでいることから預金準備率の引き下げを中心に2016年も金融緩和を継続すると見ています。財政政策については、5中全会の内容待ちではあるものの、インフラ投資を中心に追加財政政策が下支えを続けるものと見ています。

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