サウジアラビアにグローバル債発行の可能性 | ピクテ投信投資顧問株式会社

サウジアラビアにグローバル債発行の可能性 中東

サウジアラビアが債券発行の拡大を模索する一方、歳出面でも補助金の削減などの対応が見込まれています。現実的な原油価格の水準を受入れる対応を進める中、原油価格の落ち着きどころが模索されるものと見ています。

サウジアラビア:石油価格下落による収入減でグローバル債発行を準備

報道(フィナンシャル・タイムズなど)によると、サウジアラビアはグローバル債券市場で初となる債券発行の準備を進めている模様です。サウジ当局は2014年に1%台まで低下した債務残高対GDP(国内総生産)比率を、2015年の見通しで6.7%、2016年は17.3%とし、5年以内に50%まで上昇させる意向です(図表1参照)。

サウジアラビアは歳出が歳入を上回り、赤字の埋め合わせに資金調達が必要となっています(図表2参照)。サウジアラビアは小額ながら国内での債券発行は既に再開しています。しかし資金調達を国内資金だけに限定した場合、流動性を吸い上げる恐れもあるため、海外からの資金調達が検討されてきた経緯があり、国際通貨基金(IMF)などは今回の決定に歓迎の意向を示すものと思われます。

どこに注目すべきか:グローバル債券、格付け、財政収支

サウジアラビアが債券発行手法の拡大を模索する一方、歳出面でも補助金の削減などで対応が見込まれています。原油価格が1バレル=100ドルを超えるような水準へ回復することが見込みにくい中、現実的な原油価格の水準を受入れる対応が進められるものと見ています。

歳入の8割以上を石油収入に依存するサウジアラビアは原油価格下落を受け財政収支が悪化、債券発行を拡大する計画ですが、次の点に注目が必要と見ています。

まず、格付け会社の反応ですが、ある程度、財政悪化、債券発行拡大は想定している模様です。例えば、10月末にサウジアラビアをAA-からA+へ格下げしたスタンダード&プアーズ(S&P)の声明に財政収支の悪化が格下げの要因として述べられています。

しかし格付け会社にせよ、IMFにせよサウジアラビアが財政収支のバランスを回復するために、過剰な補助金(電気、水道料金等を引き下げるための)の削減や、課税ベースの拡大、石油以外の収入の拡大による歳入の改善等を求めています。

サウジアラビアが上記の財政改革を進めないとすれば、債券のリスクとなりますが、ほかに2つリスクが考えられます。

まずは、原油価格の動向です。例えば、先のS&Pは原油価格が今後1バレル=63ドル程度への回復を見込んで、財政収支回復のシナリオを想定していますが原油価格の下落が続いた場合、財政収支の回復にも遅れが見込まれます。

2つ目はイエメンへの軍事介入が泥沼化する懸念です。サウジアラビアはイエメンの反政府武装組織フーシへの軍事圧力を強めていますが、フーシの背後にシーア派のイランが控えていると見られ、スンニ派のサウジアラビアは財政問題がありながら対応を迫られている格好です。

これらのリスクはあるものの、サウジアラビアは現実的な原油価格の水準を受入れる体制を進めている過程とも見られます。原油市場では新たな価格での安定的な落ち着きどころが模索される展開が想定されます。

 

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

ページの先頭へ戻る