不安の中の静けさ、新興国のドル建債務 | ピクテ投信投資顧問株式会社

不安の中の静けさ、新興国のドル建債務 グローバル 新興国

米国が利上げをした場合、新興国のドル建債務拡大により金融市場の変動性が高まるとの懸念が市場には見られます。BIS四半期報告を参考に、ドル建債務の注目点を列挙します。

国際決済銀行(BIS)四半期報告:米国利上げの新興国ドル建債務への影響に言及

国際決済銀行(BIS)は2015年12月6日公表した四半期報告で、今月にも実施される見通しの米国利上げに対する金融市場の反応は落ち着いており、特に新興国市場の反応が抑制されていると示唆しました。その上で、変動性(ボラティリティ)が再び高まる可能性も指摘し、金融市場には落ち着きが広がっているが、不安感が入り混じった静けさと表現しています。新興国市場の金融面での脆弱性について急拡大しているドル建て債務に言及しています。利上げによりドル上昇(新興国通貨下落)となれば、新興国のドル建債務の水準は(自国通貨建てで見て)拡大する懸念があり、財務状況を悪化させるとの見方を示しています。

どこに注目すべきか:BIS四半期報告、ドル建債務、外貨準備高

米国が利上げをした場合、新興国のドル建債務拡大により金融市場の変動性が高まるとの懸念が市場に見られます。

BIS四半期報告を参考に、ドル建債務の注目点を列挙します。

米国の利上げが開始される可能性が高いものの、2013年に米国が量的金融緩和停止を示唆した後の市場の変動に比べ、新興国市場は相対的に落ち着いているとも見られます。

すでに市場が利上げを織り込んだ、もしくは利上げのペースは緩やかとの期待が背景として考えられます。

次に、新興国側でも以前の危機と異なり、安全弁として外貨準備を保有しています(図表1参照)。図表1でドル建債務の比率が100%を超えるのはトルコ、インドネシア、メキシコに止まります。その上、メキシコについては2017年までに償還する債務の割合は小さくなっています。トルコやインドネシアは経常赤字など他の要因もあるものの、ドル建債務の相対的な大きさが市場に意識されている可能性も考えられます。

ただし、外貨準備でドル建債務返済に対応すると想定しても、外貨準備が米国債などで保有されていれば、大量売却により変動性が高まるリスクも考えられます。そこでドル建債務の絶対額を見ると、中国が突出しており、ブラジル、ロシアが続く格好となっています(図表2参照)。中国の外貨準備高は巨額で、図表1のドル建債務の比率は小さく見えますが、絶対額にも注意が必要と思われます。

なお、最後に、BISも言及しているように新興国のドル建債務のデータは、海外支店経由のローンの計上が過小評価される可能性もあるなど、データから見えにくい債務が含まれている場合も考えられ、データの内容にも注意が必要です。

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