財政政策の強化と緩和的な金融政策が期待される中国 | ピクテ投信投資顧問株式会社

財政政策の強化と緩和的な金融政策が期待される中国 中国 アジア

2015年12月21日、2016年の経済政策運営の方針を決定する中央経済工作会議が閉幕し、積極的な財政政策の強化と緩和的な金融政策を一段と柔軟にすることが必要との声明が発表されました。

中国・中央経済工作会議:財政政策の強化と緩和的な金融政策について言及

中国・北京で2015年12月18日に開幕した中央経済工作会議(年に1度開催され、指導部が翌年の経済政策運営の方針を決定)が21日に閉幕し、声明が発表されました。

声明では積極的な財政政策の強化と、緩和的な金融政策を一段と柔軟にすることが必要と述べられています。

積極的な財政政策としては、財政赤字の比率を緩やかに引き上げ、財政出動を積極化させるとともに、企業の負担軽減に向けた減税を行なう可能性について言及しています。

また、インフラ向け支出を拡大するほか、低迷する不動産市場を下支えるため、住宅購入に伴う規制を緩和する一方で、新たな成長のけん引役の育成を支援するため「サプライサイドの改革」を推進するとし、過剰生産能力の削減や不動産の在庫の調整に取り組むと述べています。

どこに注目すべきか:成長率、政策判断、信用リスク

2016年の中国の動向を占う上で、先の中央経済工作会議を振り返ると、経済成長の下支えとして財政政策や金融緩和(図表1参照)が引き続きサポート要因として期待される一方、不動産など過剰在庫や債務の整理が進められることが想定されます。

まず、中国の2016年の景気動向を占うと、中国経済は6%台後半の成長率を確保する可能性もあると見ています。中国は金融緩和の余地があり、伝統的な金融政策による景気刺激策を行うことができると見られます。また、欧米、特に米国の景気回復が2016年も続く見込みであることから、輸出の拡大も中国経済を下支えする可能性があります。さらに、中国の小売売上は堅調に推移している様子がうかがえます。では、リスクシナリオは何か考えてみると、最近の中国当局の発言等から、2016年に中国は過剰生産能力や在庫調整への対応を進める模様ですが、政策判断の誤りが景気を冷え込ませる可能性がある点が挙げられます。

現在の中国の成長を抑える要因のひとつは2008年の金融危機後に実施した4兆元規模の景気対策の過剰債務、在庫であると見られ、中国当局はその対応に重い腰を上げる模様です。中央経済工作会議では住宅価格を下げ(取得を容易にして)住宅在庫を減らす意向を述べています。また先日開催された国務院常務会で李克強首相は赤字が3期続いた企業をゾンビ企業と定義し、M&A(合併・買収)や破産で処理する意向を明らかにしています。

2016年の中国は質の高い経済を目指す第13次5ヵ年計画最初の年でもあり、上記の対応は今後の中国の成長に必要と思われます。ただし、結果として企業の倒産が増える可能性が考えられ、もしかすると、既に倒産が増えているのかもしれません。例えば2015年11月には中国のセメント会社中国山水水泥集団が中国国内で初のCP(コマーシャルペーパー)の債務不履行(デフォルト)を起こすなど、中国企業のデフォルトが散見されはじめています。幸いなことに今の所、金融システム全体に影響を及ぼす事態は見られませんが、この当局への「信頼」は政策判断のミスにより揺らぐリスクもあるだけに、2016年の中国は、ある程度の経済成長は予想されるものの、デフォルトなどの信用リスクには注意が必要な1年となりそうです。

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