サウジアラビアとイランの何故 | ピクテ投信投資顧問株式会社

サウジアラビアとイランの何故 アジア 中東 日本

2016年の日本株式市場は中国の景気指標が軟調であったことに加え、サウジアラビアとイランの国交断絶という新たな地政学リスクが台頭し大幅下落となりました。新たな懸念が台頭した格好で今後の展開に注意が必要と見られます。

日本株大幅反落:中国景気や中東情勢の悪化懸念で円高、輸出関連株中心に幅広く売り

暦の関係で欧米より先に2016年のスタートを切った2016年1月4日の日本株式市場は大幅に下落しました。中国の景気指標が悪化したことや、サウジアラビアとイランの国交断絶など中東情勢の悪化によりリスク資産を敬遠する動きが強まり為替が円高傾向で推移したことから輸送用機器など輸出関連株が下落しました。また食料品や電気・ガスなど内需株にも下落が見られるなどほぼ全面安の展開となっています(図表1参照)。

どこに注目すべきか:中国製造業PMI、シーア派、スンニ派

2016年の日本株式市場は大幅下落でのスタートとなりました。下落の主な背景は中国の景気指標が軟調であったことや、サウジアラビアとイランの国交断絶により新たな地政学リスクが懸念材料として台頭したことで、今後の展開に注意が必要と見られます。

まず、中国の景気指標では財新・マークイットが発表した12月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.2と、市場予想(48.9)、前月(48.6)を下回り、景況改善と悪化の目安となる50を10ヵ月連続で下回ったことから、中国の景気回復の足取りが重いことを示唆する内容でした。

次に、緊張状態が続いていた中東情勢をさらに悪化させる可能性のある出来事として、サウジアラビアとイランの国交断絶が上げられます。

背景としては、サウジアラビアがイスラム教シーア派の指導者ニムル師の死刑を執行したことに反発したイランのデモ隊がイランにあるサウジアラビア大使館を襲撃、サウジアラビアはイランとの外交関係を断絶したと発表しています。

そこで、報道などから二ムル師を簡単に振り返ると、二ムル師はサウジ出身のイスラム教シーア派教徒で、イランで宗教教育を受けた後サウジに戻っています。ニムル師は、サウジアラビアの支配者層を批判してきており、中東民主化運動(アラブの春)ではシーア派の抗議行動の背後の指導的人物と見られています。サウジアラビアは2012年ニムル師を逮捕し、政府は同師に対し2014年死刑判決を下しています。

イスラム教スンニ派の大国サウジアラビアがシーア派指導者を、国内でのテロ関係で死刑判決を受けた他の46人と同時に処刑したことに対し、シーア派国家イランでは反発が高まっています。両国は既に(古くはイラン革命後)緊張が高まっていました。例えば、シリアでは、イランと同盟関係にあるアサド大統領政権がサウジに支援されている反政府スンニ派勢力と戦闘となっています。またイエメンでも同様の構図でサウジアラビアとイランがイエメン政府支援を巡り対立しています。

このような対立、緊張が続く中でサウジアラビアが死刑を執行した真の意図は図りかねますが、少なくとも、テロとイランへの対決姿勢を示し、強硬路線を維持するとのメッセージを送ったものとも見られます。したがって、今後両国の対立がさらにエスカレートするかを見る上ではイランの対応に注目していますが、イランの最高指導者ハメネイ師はサウジアラビアを激しく非難している一方、ロウハニ大統領はサウジ大使館襲撃の人物の訴追を要請するなど冷静な面も見られます。

したがって、対立が泥沼化する可能性は高くないと見られるものの、当面、中東情勢には注視が必要と見ています。

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