中国株式市場の変動を大きくした事情とは | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国株式市場の変動を大きくした事情とは アジア 中国

2016年の世界株式市場は中東情勢の悪化や中国の景気回復鈍化懸念等を背景に初日から下落しましたが、中国株式市場の下落は固有の事情で他の市場より大きくなった面もあり、これらの要因に対し当局の対応が見られました。

中国株式市場:前日の急落を受け、当局が投資家の懸念緩和に対応

中国株式市場は2016年1月5日は概ね前日の終値近辺で推移(日本時間14:00現在)し、上海またはシンセン証券取引所上場のA株、300銘柄で構成されるCSI300指数は3,400台での取引となっています。1月4日の取引でCSI300指数は7%以上も下落し、同日から導入されたサーキットブレーカー(CSI300の5%の変動(上昇または下落)で中国株式、先物が15分間の取引停止、7%の変動で当日の取引停止)が発動された動きに比べ落ち着いた動きとなりました(図表1参照)。株式市場の安定を意図して導入したサーキットブレーカーですが、新制度がむしろ投資家の動揺を引き起こしたとの声も聞かれたことから、中国証券監督管理委員会(証監会)は1月5日に、サーキットブレーカー制度の改善に努めるとの声明を発表しています。

どこに注目すべきか:サーキットブレーカー、リバースレポ、介入

2016年の世界株式市場は中東情勢の悪化や中国の景気回復の鈍化懸念等を背景に初日から下落しましたが、中国株式市場の下落は固有の事情により他の市場より大きくなった面もあり、これらの要因に対し当局の対応が見られました。

そこで中国株式市場の下落を相対的に大きくした事情を3つあげると1つ目はサーキットブレーカーの導入があげられます。例えば、2段階の発動基準(5%と7%)の幅が狭く投資家が売りを急いだ可能性が指摘されています。本来は市場の安定化に役割を果たすサーキットブレーカーが皮肉にも市場の変動を拡大してしまった可能性もあり、今後の対応が待たれます。

2つ目は中国のマネー市場で年末に引き締め(流動性不足)気味であったことも株式市場の重荷となっていた可能性があります(図表2参照)。そこで中国人民銀行(人民銀)は1月5日に、大規模なリバースレポ取引を通じて金融システムに資金を供給した模様です。レポ金利は2015年末の約2.12%から0.1%程度低下しています。

3つ目は人民元安です。人民銀は2015年8月に唐突に人民元安誘導を公表、当局が意図的に人民元安誘導しているとの懸念から中国の株価は大幅に下落しました。一方、2015年後半に人民元が貿易加重指数の公表を始めたことなどから、再び人民元安傾向が見られ、足元、人民元安が進行し、当局が人民元安を放置しているのではとの懸念も聞かれました。

これに対し5日の為替市場で中国当局の介入とも考えられる動きが見られました。

短期的な変動に対する当局の対応は必要ではあったのかもしれませんが中長期的な効果は不透明な対応も見られます。本格的な回復には景気回復の実感が必要と思われます。

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