12月の中国貿易統計、市場予想は超えたものの | ピクテ投信投資顧問株式会社

12月の中国貿易統計、市場予想は超えたものの アジア 中国

中国の2015年12月貿易統計は輸出、輸入共に市場予想を上回る水準で、中国景気改善の兆しとも見られますが、貿易統計の内容には一部懸念材料もあり、市場の不安心理を払拭するには不十分と思われます。

中国貿易統計:2015年12月は輸出、輸入共に市場予想を上回る

中国税関総署が2016年1月13日に発表した2015年12月の貿易統計は、(ドル建で)輸出が前年同月比1.4%減と、市場予想(同8%減)、11月(同6.8%減)を上回りました。また輸入は前年同月比7.6%減と市場予想(同11.0%減)、11月(同8.7%減)を上回りました(図表1参照)。同統計を人民元建で見ると12月の輸出は2.3%増とプラスとなり、市場予想(同4.1%減)、前月(同3.7%減)を上回りました。

どこに注目すべきか:中国貿易統計、地域別取引、資本取引

中国の2015年12月貿易統計は輸出、輸入共に市場予想を上回る水準で、中国景気改善の兆しとも見られますが、貿易統計の内容には一部懸念材料もあり、市場の不安心理を払拭するには不十分と思われます。

過去、中国の輸出、輸入統計は市場予想を下回ることが多かっただけに(ドル建では前年同月比でマイナスながら)、市場予想を上回る改善を示したことは今後の改善を期待させる兆候とも考えられます。輸入は12月が7.6%減とマイナスの程度が大きいものの、主な背景は原油価格の下落等を反映した面もあると見られ、今後の原油価格の動向によっては、下押し圧力が緩和される可能性もあります。中国の原油輸入を数量で見ると(在庫の積み上げがあるとは思われますが)増加傾向を維持しています。

ただし、貿易統計公表後の株式市場に明確な回復が見られなかったように、データの一部に課題も見られます。

まず、地域により、貿易の回復度合いに違いが見られ、全体的な回復感に乏しいことです。例えば、輸出の変化率を先月と比べると米国や欧州で回復が見られ、全体の改善に貢献しているものの、韓国などアジアへの輸出の回復は遅れています(図表2参照)。

次に、香港への輸出が突出して回復していますが、背景は中国国内(オンショア)と香港(オフショア)人民元の価格差を利用した取引(資本取引)が含まれているとの懸念です。どんな取引が想定されるのか?例えば、2015年後半、オフショア人民元がオンショア人民元に対し割安だったことから、ドルを売ってオフショア人民元を買い、(金などを介在させ)輸出代金として中国国内に送り、その後オンショア人民元レートで最終的にドルに交換する取引が想定されます。もっとも、現在はオンショアとオフショアの人民元レートの差は縮小しており、仮にこのような取引が含まれていたとしても、今後の影響は低下するものと見られます。なお、12月の中国貿易統計から香港分を除くと、改善の程度は小幅となります。

12月の中国貿易データには改善の兆しが見られたものの、市場のセンチメントを変えるには力不足と思われます。

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