前途多難なロシア経済だが | ピクテ投信投資顧問株式会社

前途多難なロシア経済だが 欧州/ユーロ圏 ロシア

原油価格の下落と西側諸国の経済制裁の影響などを背景にロシアの2015年GDP成長率はマイナスとなり、2016年の成長率についても、厳しい状況が続くものと思われますが、西側の経済制裁は緩和される兆候もあると見ています。

ロシア2015年GDP成長率:原油安等の影響で2009年以来の大幅なマイナス成長

ロシア連邦国家統計局が2016年1月25日に公表した2015年年間GDP(国内総生産)は前年比マイナス3.7%となり、2014年(同0.6%増)を下回りました(図表1参照)。市場予想はマイナス3.8%を見込んでいました。リーマンショックの影響で成長率が低下した2009年以降で最大の落ち込みとなっています。

25日に公表されたロシアの他の経済指標も軟調となっています。例えば、2015年12月の小売売上高は前年同月比で15.3%減と、市場予想と一致しました(図表2参照)。12月の実質賃金は前年比で10.0%減少し、市場予想の9%を下回りました。

どこに注目すべきか:ロシアGDP、原油価格、西側制裁、難民

原油価格の下落と西側諸国の経済制裁の影響などを背景にロシアの2015年GDP成長率はマイナスとなりました。2016年の成長率についても、国際通貨基金(IMF)などの経済予想では1.0%減とマイナス成長が見込まれるなど厳しい状況が続くものと思われますが、西側の経済制裁は緩和される兆候もあると見ています。

GDPや歳入の半分程度を石油に依存するといわれるロシアは原油価格下落の影響を受け2015年通年の成長率はマイナスとなりました。ロシアのクリミア半島侵攻などを背景に開始された西側の経済制裁もロシア経済に大きなマイナス要因となっている模様です。

ロシアの個人消費も低迷しています。原油価格下落で通貨ルーブル安が進行したことでインフレ率が上昇、これに伴い消費は低迷しています(図表2参照)。インフレ懸念が消費を冷え込ます現状であることから、1月29日の金融政策会合でロシア中銀が政策金利を引き下げると予想する市場の声は聞かれず、11%での据え置きが見込まれています。

歳入も落ち込んでいることから財政政策も期待できず、八方塞(ふさがり)の様相ですが、ロシアの景気回復を期待させる兆候も見られます。その例は、西側の経済制裁の緩和の可能性です。背景は、シリアなどからの難民問題が欧州で複雑かつ拡大傾向であることです。例えばダボス会議に作成されたグローバル・リスク・レポートでは今後のリスクの筆頭に大規模な難民の移動と指摘しています。当初は難民受け入れを支持していたドイツなどの世論もあまりの難民の数に風向きが変わり、難民受け入れから、難民発生の防止へと政策テーマがシフトしているよう見受けられます。そこで難民発生の原因でもあるシリアなどの内戦を解決に向かわせるにはロシアとの関係改善も西側で検討されている模様で、経済制裁の緩和という選択肢が現実味を帯びてきたと見ています。

もっとも、ロシアの国際社会への復帰はフランス等が1年ほど前に提案したものの、結局実を結ばなかった前例もあるだけに、この先の展開は不透明な部分もありますが、「難民問題」に対する欧州の意識には注意が必要です。

原油価格の下落に対しロシアは他国と生産調整を模索する動きも見え始めましたが、こちらは様子見が必要と思われます。

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