ブラジルレアルの変動要因 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジルレアルの変動要因 中南米 ブラジル

資源価格の下落傾向や財政懸念などブラジルを取り巻く環境は依然不透明で、資本逃避と見られる動きによりレアル安傾向は続く公算が高いものの、実需の動きには改善の兆しも見られます。

2015年12月ブラジル海外直接投資:市場予想を超える資金が流入

ブラジル中央銀行が2016年1月26日に発表した2015年12月の(海外からブラジルへ流入した)海外直接投資は152.1億ドルと市場予想(61億ドル)、前月(49.4億ドル)の2倍超の大幅流入となりました(図表1参照)。また、12月の経常収支については24億6千万ドルの赤字となり、市場予想(25億ドルの赤字)、前月(約29億7千万ドルの赤字)を下回るなど対外収支に改善が見られました。

どこに注目すべきか:ブラジル海外直接投資、経常収支、GDP

資源価格の下落傾向や財政懸念などブラジルを取り巻く環境は依然不透明で、資本逃避と見られる動きによりレアル安傾向は続く公算が高いものの、実需の動きには改善の兆しも見られます。

まず、足元のレアルの動向を見ると、ブラジル中銀が1月21日に大方の市場予想に反し政策金利を据え置いた後の水準に比べ、現在は(対ドルで)レアル高水準を維持しています。 1月26日に公表された(海外からブラジルへ流入した)海外直接投資はブラジルへの実需の回復を期待させる面もあります。経常収支は依然赤字ですが、赤字額は縮小傾向で、直接投資額が経常収支(赤字)を上回る状況は維持されています。ブラジル中銀が金利据え置きの決定によるレアル安懸念に対し、海外直接投資による下支えへの期待を示唆しましたが、早速実現した格好です。

もっとも、レアルの懸念材料は山積みで、本格的な回復は期待しづらい状況です。まず、足元のレアルの回復は1月20日に安値をつけた後上昇している原油価格の影響が最も大きいと思われます。他の新興国通貨同様、レアルが資源価格の動向に左右される展開は当面続くものと思われます。

また、経常収支の改善にも注意が必要です。ブラジルは経済成長と輸入の連動性が高く(図表2参照)、景気の落ち込みが輸入の減少、経常収支の改善を導くという構図となっており、素直に歓迎できない状況です。また、海外直接投資の数字は月ごとの変動も大きく、今後の安定的な流入を期待するには景気回復、投資機会の拡大が必要です。ブラジルへの(海外からの)直接投資の内容が従来の資源開発重視から、サービスセクターなどへの投資と対象の幅が広がりつつあります。したがって景気の先行きがレアルの動向を左右する度合いが高まっていると見られます。

最後にブラジルの財政改革のペースも懸念材料です。例えばブラジルを格下げ方向で検討中のムーディーズ・インベスターズ・サービスは引下げるかどうかの鍵は財政と述べています。レアルは実需などに下支えの兆しも見られますが、注視すべき要因が依然多いように思われます。

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