アルゼンチン、マクリ政権への期待 | ピクテ投信投資顧問株式会社

アルゼンチン、マクリ政権への期待 中南米

世界的にリスク回避姿勢が強まる様相の中、アルゼンチン市場は相対的に底堅い動きです。国際的な金融市場と取引が途絶えていることが不幸中の幸いなのかもしれませんが、アルゼンチンの変化には政治の貢献も見られます。

アルゼンチン政府:デフォルト問題解決に向け、一部債権者と暫定合意へ

アルゼンチン政府は2001年の債務不履行(デフォルト)問題をめぐり、主要な債権者6社のうち2社と暫定合意に達したと2016年2月5日に声明を発表しました。同国政府を相手取って訴訟を起こした債権者グループの中心的ファンド会社は、政府との交渉で合意に至っていない模様です。2015年11月の大統領選挙で勝利(12月に就任)した中道右派のマクリ大統領は債務問題の早期の解決に意欲を示しています。

どこに注目すべきか:通貨規制撤廃、マクリ政権、インフレ目標

世界的にリスク回避姿勢が強まる様相の中、アルゼンチン市場は相対的に底堅い動きです(図表1参照)。国際的な金融市場へのアクセスが閉ざされていることが幸いしている面も考えられますが、2015年後半からのアルゼンチンの経済環境の変化には政治の貢献も見られます。

自由市場を標榜するマクリ新政権は疲弊したアルゼンチン経済の建て直しに積極的に着手しています。例えば、2015年12月には低水準の外貨準備高を回復するため通貨規制(実質的なドル固定制や資本規制)を撤廃しました。無理な為替介入が減少したことで、外貨準備高に底打ち感が見られます(図表2参照)。

次に、2001年のデフォルト以来、国際資本市場からの調達が途絶え、不安定となっている財政状況の改革に向け、前政権が交渉(妥協)を拒んでいた債権者と合意に向けた動きが見られます。ただし、2社との合意は暫定的に過ぎず、他の債権者(4社)との交渉は紆余曲折も想定されます。また、合意事項は議会での承認も必要です。しかしながら、マクリ政権に追い風も吹いています。大統領決選投票では僅差で勝利したマクリ大統領ですが、下院議会では他の政党と組んで(カンビエモス)も少数与党でした。キルチネリズムと称される大衆迎合的な前政権(フェルナンデス前大統領)が率いる政党(FPV)は下院(定数257)で半数程度の議席を占め、与党連合と拮抗していましたが、足元FPVを離脱する議員が増え、与党連合の過半数確保が視野に入ってきました。報道によるとマクリ氏の支持率は7割程度と、決選投票時の得票率(約51%)から大幅に支持を増やしており、世論の後押しを受けて議会でも与党勢力の拡大が期待されます。

ただし、時間がかかりそうな問題もあります。例えば、インフレ率の抑制です。アルゼンチン中銀は2015年末に2016年金融プログラムを公表し、その中で物価安定を優先事項とはしましたが、インフレ目標の設定を見送ったことに市場は失望しています(図表1参照)。また信頼度が低いとされた前政権の消費者物価指数の抜本的改定はこれからの課題です。

アルゼンチンは特殊な例とはいえ、政府と中央銀行が経済改革に向け協力関係にあるようにも見られます。少なくとも中央銀行の金融政策だけに頼るよりは健全かもしれません。

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