中国貿易統計、重い足取り | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国貿易統計、重い足取り アジア 中国

中国の2016年1月の貿易統計は市場予想を下回るなど苦しいスタートとなりました。中国の貿易統計には特殊要因が含まれるケースもあり注意は必要ですが、対新興国との貿易の減速が気がかりな点と見ています。

中国貿易統計:2016年1月の輸出入は市場予想を下回り、大幅に低下

中国税関総署が2016年2月15日に発表した1月のドル建て貿易統計によれば、輸出は前年同月比11.2%減少し、市場予想(同1.8%減)、2015年12月(同1.4%減)を下回りました。また、 1月の輸入は(ドル建)同18.8%減少し、市場予想(同3.6%減)、前月(同7.6%減)を下回りました(図表1参照)。この結果、貿易黒字は過去最大の633億ドル(約7兆2,100億円)となりました。なお、人民元通貨建てでは輸出は前年比6.6%減少し、輸入も14.4%減少となっています。

どこに注目すべきか:資本取引、地域別輸出変化率、財政政策

中国の2016年1月の貿易統計は市場予想を下回るなど苦しいスタートとなりました。中国の貿易統計には特殊要因が含まれるケースもあり注意は必要ですが、対新興国との貿易の減速が気がかりな点と見ています。

まず、貿易統計の変動が大きくなった可能性として、対香港貿易を通じた取引で、実態は資本取引でありながら(12月には)貿易統計とカウントされていた可能性のある取引の減少が、全体を押し下げた可能性が考えられます(当取引の内容については今日のヘッドライン2016年1月14日号参照)。例えば、1月の香港への輸出は前年同月比マイナス2.6%(図表2参照)と、12月の同10.8%増から減少していることが、同取引の減少を反映している可能性が考えられます。

ただし、特殊要因が想定はされるものの、実証は困難で、誤差の範囲で捉えるべきかもしれません。むしろ気になるのは米国や欧州など景気回復がやや軟調となっている先進国との取引が減少したことや、中国の貿易相手で(今では)過半を占める新興国との取引がマイナスとなっていることです。特に新興国との取引に注目すると、例えば、韓国への輸出は前年同月比でマイナス15.9%(前月は同プラス0.9%)、アセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)向けは同マイナス17.9%と前月の同マイナス6.4%から悪化しています(図表2参照)。南アフリカやブラジルのような資源国との取引は輸出入とも軟調となっていましたが、アジアとの貿易に回復が見られないのは気がかりです。輸出の減少は2015年8月以降の人民元下落が中国製造業の持続的な競争力向上につながっていないとも見られます。一方で中国人民銀総裁が先日、人民元をサポートする姿勢を示すなど、資本逃避も懸念される中国では人民元安は望みにくい環境となっています。したがって、中国は消費など内需回復を政策の主体におく必要があり、回復の鍵は最後は財政政策の出動と思われます。

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