メキシコペソ防衛の3点セットを公表 | ピクテ投信投資顧問株式会社

メキシコペソ防衛の3点セットを公表 中南米

メキシコ当局の予想外の利上げ、為替介入、並びに歳出削減を受け、17日は急速にペソ高が進行しました。当局は利上げの第一の理由をペソ安により潜在的なインフレ上昇につながることを懸念したと述べています。

メキシコ、ペソ防衛:メキシコ中銀は利上げと2009年以来の直接市場介入

メキシコ中央銀行は、2016年2月17日、緊急会合を開催、政策金利を3.25%から0.5%引き上げ3.75%としました。カルステンス総裁は、ペソ安で予想物価が上振れて消費者物価の上昇が進む事態を防ぐために利上げを決定したと説明しています。

またメキシコ中銀は、ペソ下支えに向けてドルを売る直接市場介入を行いました。メキシコの為替制度は自由変動を許容するフロート制を維持し、2014年のペソの大幅下落局面以降実施してきたルールに基づく入札方式のドル売却制度を打ち切り、必要に応じて金融機関にドルを直接売却する直接介入の導入を示唆しました。

さらに、メキシコ財務省は原油安に伴い歳入減に見舞われている中で、投資家のメキシコ経済に対する信頼感を高める狙いで、2016年の歳出を削減すると発表しました。

どこに注目すべきか:ペソ為替介入方法、代替的ヘッジ、信用力

メキシコ当局の予想外の利上げ、為替介入、並びに歳出削減を受け、17日は急速にペソ高が進行しました(図表1参照)。

当局は利上げの第一の理由をペソ安により潜在的なインフレ上昇につながることを懸念したと述べていますが、次の点を懸念した可能性が考えられます。

まず、メキシコペソ(対ドル)の騰落率を年初来、過去1年などで見ると新興国通貨の中で概ねワースト5位以内(為替制度を変更したアルゼンチンを除く)にランクインされています。しかしメキシコは成長率が2%を越え、インフレ率は2%台と健全で、経済の状況と為替動向に乖離が見られます。

では何が乖離の要因として考えられるか?

1つ目は、メキシコ当局のルールに基づく介入では、メキシコ中銀がペソ買い/ドル売りの機会を提供するため、かえってペソ安に賭けた投機的取引を拡大させた可能性があります。

2つ目はペソが新興国通貨の中で自由度が高く、取引も容易であることから他の新興国通貨の代替的ヘッジ通貨となっていた可能性があることです。メキシコは産油国とはいえ、製造業も強く、他の産油国に比べ原油価格下落の通貨への影響が小さいことが期待されます。それでもペソが大幅に下落した背景には為替ヘッジに利用された影響も想定されます。

最後に、過去のペソ安進行局面でメキシコの信用力が悪化していた点に注意が必要です(図表2参照)。メキシコの資金調達の悪化が懸念されます。金融政策にあわせ歳出削減が同時に公表されたのもこの点を意識した可能性が考えられます。

これらの背景を考え合わせれば、メキシコ中銀が今回の措置は新たな利上げサイクルの始まりではないと説明していることとも、ある程度整合的であると思われます。

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