通貨切り下げに、ガソリン値上げのベネズエラ | ピクテ投信投資顧問株式会社

通貨切り下げに、ガソリン値上げのベネズエラ 中南米

原油価格下落を受け債務不履行懸念が高まるベネズエラが通貨切り下げやガソリン価格の値上げに踏み切り、デフォルト回避姿勢を示したことは注目に値しますが、市場の反応を見る限り、本格的な解決は遠いと思われます。

ベネズエラ:経済危機、債務不履行懸念の深刻化を受けガソリン値上げと通貨切り下げ

ベネズエラのマドゥロ大統領は2016年2月17日、ガソリン価格をほぼ20年ぶりに値上げするとともに、通貨ボリバルの切り下げを公表、主要為替レートを1ドル=10ボリバルと、従来の同6.3ボリバルから引き下げると発表しました(図表1参照)。

通貨切り下げにより国営ベネズエラ石油(PDVSA)のボリバル建て石油収入の増加が期待されます。ガソリン価格値上げでは、例えばハイオクガソリンについては1リットル当たり0.097ボリバルから6ボリバル(約100円)と60倍超にするなど、ガソリン向け補助金支出の削減を模索しています。

どこに注目すべきか:ボリバル切り下げ、ガソリン補助金、PDVSA

原油価格下落を受け債務不履行(デフォルト)懸念が高まるベネズエラが通貨切り下げやガソリン価格の値上げに踏み切ったことで、当局がデフォルト回避姿勢を示したことは注目に値しますが、市場の反応を見る限り、本格的な解決にはほど遠く、原油価格の回復が必要と思われます。

まず、ベネズエラには主に食料品や医薬品など生活に必要不可欠な商品の輸入に適用される為替レート(今回1ドル=6.3ボリバルから10ボリバルに引き下げ発表)に加え、複数の為替レートが存在します。例えば外貨供給システム(SICAD、必需品でないものの輸入に適用、1ドル=13.5ボリバル)や副次的外貨システム(SIMADI、変動レートを目指して導入、1ドル=約200ボリバル)などで、今回それらの制度は維持しました(SICAD、SIMADIのレートは2月17日現在)。ただ、本来は変動相場のレートとして導入された(足元は半固定)SIMADIの17日のレートは1ドル=約202.94ボリバルと、今後の通貨安を反映したかのような動きも見られます。

このように、ベネズエラ政府は輸入インフレ率上昇懸念があるもののPDVSAの手取りのボリバルを増やし歳入を増加させる為替の切り下げに加え、補助金削減のためにガソリン価格値上げを実施、さらに債務返済に消極的だった閣僚の更迭などを発表することで債務返済の意思を市場に示しました。

そこで、市場の反応ですが、2016年2月26日に償還予定の債券(国債ドル建5.75%、元本15億ドル)は償還価格を(わずか)3.5%程度下回る水準で取引されており、薄氷を踏む思いながら、償還を待つ状況です(図表2参照)。

一方で、満期が先の債券は通貨切下げなどを前向きの知らせとは捉えているものの、デフォルト懸念を払拭するには不十分と見ている模様です。例えば、通貨切り下げによりボリバル建て石油収入が期待される国営ベネズエラ石油PDVSAの2016年10月償還債(利率5.125%)の価格は依然デフォルトを警戒した水準での取引となっています(図表2参照)。

目先の資金は外貨準備などで手当てができたとしても、デフォルト懸念の払拭には原油価格の回復も必要と見られます。

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