ブラジル、格下げ後の注意点 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジル、格下げ後の注意点 中南米 ブラジル

ムーディーズはブラジルを2段階引き下げたものの、格下げ自体は市場に織り込まれていた模様で反応は小幅でした。ただブラジルの信用力低下による調達コストの上昇が景気回復を遅らせるリスク等に注意が必要と思われます。

ブラジル:主な格付け会社(3社)の格付けすべて非投資適格級へ

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ムーディーズ)は2016年2月24日、ブラジルの長期債格付け(自国通貨建て、外貨建て共に)をBaa3(BBB-に相当)からBa2(BBに相当)へ2段階引下げました。見通しは弱含み(ネガティブ)としています。ムーディーズの引下げにより、スタンダード&プアーズ(2015年9月9日にBBに引き下げ)、フィッチ・レーティングス(2015年12月16日にBB+へ引下げ)と主要3社の格付けが全て非投資適格水準(BBB格を下回る)となりました。

どこに注目すべきか:債務残高対GDP比率、財政政策

ムーディーズは2015年12月にブラジルにネガティブウォッチ(格下げ方向で検討)としていたため、2段階はややサプライズであったものの、格下げ自体は織り込まれていたと思われます。ただブラジルの信用力低下による調達コストの上昇が景気回復を遅らせるリスクに注意が必要と思われます。

まず、格下げとなった理由は財政指標の悪化とムーディーズは指摘しており、例えば債務残高の対GDP(国内総生産)比率は足元65%を超え、2018年までの内に80%を超える見込みであると述べています(図表1参照)。また、景気後退も深刻な中、税収入の低下からプライマリーバランスの対GDP比率はマイナスです。

なお、非投資適格級への格下げにもかかわらず市場の反応は小幅で、例えば債券の上昇傾向に変化は見られませんでした(図表2参照)。格下げ懸念は既に市場に相当程度織り込まれていたと思われます。むしろ足元では格下げ懸念が市場に影響を与える程度は低下し、主に外部要因、例えば原油価格の下落の一服感や、緩やかな米国の利上げペース見通しが債券やレアルの下支えとなっていると思われます。

しかしながら、見通しは弱含みで更なる格下げも想定され、今後の動向にも注意が必要です。例えば、ブラジルの格下げによりボベスパ株価指数がやや軟調となるなど、調達コスト上昇によるブラジル企業への悪影響が懸念されます。

次に最も問題なのが政局の混迷です。ブラジルの政策金利は高水準での推移が見込まれる中、ムーディーズも利子返済負担による財政余裕度の低下を指摘しています。したがって、バルボーザ財務相が事実上、市場に約束した財政支出削減や銀行小切手税導入などの増税策の実施が求められますが、議会との対立は根深いため対応は遅く、小出しです。

例えば、18日にブラジル政府が提出した財政削減計画は250億レアル(7,100億円)と2015年の削減分の4割以下と見られ、市場の信用を回復するには、不十分と思われます。財政改革を巡る政局の動きに今後最も注視が必要と見ています。

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