ブラジルGDP事情 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジルGDP事情 中南米 ブラジル

ブラジルの2015年の年間GDP成長率は3.8%の減少、2016年のGDP成長率も再びマイナスが予想されるなどブラジル経済は当面厳しい状況が続くと思われますが、足元では最悪期は脱しつつある兆しも見られます。

ブラジル10-12月GDP:前期比で1.4%減、 市場予想ほどは悪化せず

ブラジル国家統計局が2016年3月3日に発表した2015年10-12月期実質GDP(国内総生産)は前期比1.4%減少と、マイナス成長とはなったものの、市場予想(同1.6%減)、7-9月期(同1.7%減)を上回りました(図表1参照)。また、前年同期比は5.9%の減少となりました。なおブラジル地理統計院(IBGE)が発表した2015年年間のGDP成長率は3.8%減少し、1990年以来最大の落ち込みとなりました。また、国際通貨基金(IMF)によると2016年のブラジルの成長見通しは3.5%減少(2016年1月時点予想)となっています。

どこに注目すべきか:ブラジルGDP、消費者信頼感指数、失業率

ブラジルの2015年の年間GDP成長率は3.8%の減少、4%近いマイナスとなったのは債務不履行(デフォルト)を起こした1990年以来です。2016年の成長率も再びマイナスが予想されるなどブラジル経済は当面厳しい状況が続くと思われますが、足元では最悪期は脱しつつある兆しも見られます。

まず、2015年10-12月期のGDP成長率の内容を振り返ると、項目別では個人消費(前期比1.3%減)と純輸出(輸入の大幅減による)は相対的に全体平均(同1.4%減)を上回りました。

一方、マイナス項目は財政改革(削減)による政府支出の減少と実質金利負担が重いため投資がマイナス要因です。

次に10-12月期GDP成長率が前期比1.4%減少と市場予想を上回った背景をセクター別の成長率で見ると、農業部門の予想外のプラス成長が寄与したものと見られます。資源関連の下落がブラジルの成長を抑制する要因となる中、農業が小幅ながら成長を補った格好です。

しかし、ブラジルの経済成長が回復に向かうには投資、消費、輸出など複数に渡るセクターの回復が必要で、当面回復は難しく、マイナス圏での推移が見込まれます。ただし、一部に回復の兆しも見られます。

例えば、GDP成長率(前期比)をみるとマイナスの程度が緩やかに切り上がっています(図表1参照)。また、仮に2016年の成長率がIMFの予想通りであるなら、各四半期の成長率は均(なら)してみれば-1%より小幅のマイナスが想定されます。

次に、個人消費の動向を左右する可能性がある消費者信頼感指数に底打ちの兆しも見られます(図表2参照)。消費者信頼感指数の悪化は失業率の上昇に伴う動きとなっていました。失業率の先行きは予断を許さない展開ではありますが、雇用市場と消費者信頼感指数の動きに注目が必要と見ています。

最後に、ブラジル中央銀行が3月2日(現地時間)に2会合連続となる政策金利の据え置きを公表しました。高水準のインフレ率を考慮すれば利上げも想定される環境下、据え置きにより経済重視の姿勢を再び示唆、投資などへの波及が(将来的に)期待されます。その上、政策金利を据え置いて以降、レアル高傾向となっていることもプラス要因です。即断は厳禁ながら、慎重に回復の兆しを見守る姿勢も必要と思われます。

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